小菅 優
Yu Kosuge
      
2009年ハノーファー北ドイツ放送フィル名古屋公演 2009年6月25日(金)ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー
             名古屋公演
◆指揮 大植英次
◆場所 愛知県芸術劇場コンサートホール
◆プログラム
L.V.ベートーヴェン/劇音楽「エグモント」序曲Op.84
L.V.ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37
L.V.ベートーヴェン/交響曲第7番イ長調Op.92

大植さんがハノーファー北ドイツ放送フィルの首席指揮者としては最後の凱旋公演しかもオールベートーヴェンプログラム。これは聴きに行かないともったいないと思い、名古屋まで出かけて行きました。客入りは8割ぐらいでしょうか。オーケストラは言うまでもなく両翼配置でコントラバスは雛壇の最上段に並んでいました。1曲目は「エグモント」序曲。曲の入りからドイツらしい重厚な響き。思わず曲に惹き付けられました。テンポも速すぎることなく良かったです。2曲目はピアノ協奏曲第3番。小菅さんが濃いグリーンのドレスで登場しました。この曲は自分がオーケストラで練習している曲だったこともあっていっそう期待が膨らんでいました。テンポは私好みでした。第1楽章の両翼配置の効果がある弦楽器の掛け合いの部分も良かったです。小菅さんのピアノはミスタッチもなく完璧でした。カデンツァはベートーヴェンのものでした。第2楽章の小菅さんのピアノの歌わせ方はしっとりしていて良かったです。第3楽章は第1楽章同様小菅さんは軽快なタッチで完璧な演奏を聞かせてくれました。オーケストラも申し分なくあっという間に演奏は終わりました。演奏後は「ブラヴォー!」の声もありました。鳴り止まない拍手に応えてアンコールはF.メンデルスゾーンの無言歌集よりベネツィアのゴンドラの歌Op.62-5と紡ぎ歌Op.67-6でした。小菅さんが演奏する間、大植さんは空いている椅子にそっと座って演奏を聴いておられ、演奏が終わるとそっと舞台から去っていかれました。後半は大好きな交響曲第7番でした。第1楽章はゆっくりめのテンポで重厚さを出した演奏でした。第2楽章は心に響く素晴らしい演奏でした。終楽章は軽快なテンポで両翼配置の効果満点の素晴らしい演奏でした。終演後は当然「ブラヴォー!」の声もありました。鳴り止まない拍手に応えてアンコールは何を演奏するのかとおもっていましたら、舞台袖にずっと置かれていたハープが登場し、(ベートーヴェンの今日のプログラムにはハープは登場しないのになぁと思っていました。)何とアヴェ・ヴェルム・コルプスのメロディーが。I.チャイコフスキーの組曲第4番Op.61「モーツァルティアーナ」から第3曲祈りという曲でした。この曲はW.A.モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」をリストがピアノ用に編曲したものをチャイコフスキーが管弦楽用に編曲したものなのだそうです。とても神秘的な雰囲気が漂ったあと拍手はすぐに起きず、大植さんはそっと舞台を去っていかれました。その後拍手が起こりました。終演後サイン会がありました。今日の演奏会は全て素晴らしかったです!わざわざ名古屋まで行った甲斐がありました。

サイン