川久保賜紀
Tamaki Kawakubo
      
2002年リサイタル 2002年9月18日(水)ヴァイオリンリサイタル
◆ピアノ 江崎昌子
◆場所 京都コンサートホールアンサンブルムラタ
◆プログラム
L.V.ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調Op.47
             「クロイツェル」
S.S.プロコフィエフ/ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ長調Op.94bis
M.ラヴェル/ツィガーヌ

チャイコフスキーコンクールで最高位を受賞した、川久保さんの演奏を初めて聴きました。彼女は日本人ですが、生まれも育ちもアメリカだそうで日本に住んだことはないそうです。(でも日本語は流暢です。)現在ザハール・ブロンさんに師事しておられるそうです。最近ブロンさんの門下生の活躍が目覚しいですね。1曲目の「クロイツェル」ですが、出だしからヴァイオリンの歌わせ方が独特でたっぷり溜め込んで弾き始めました。早いパッセージの部分は切れが良く、音量もあってなかなか良かったです。後半のプロコフィエフ2番も滑らかで聴きやすい演奏でした。テクニック面はもちろん表現が私好みです。最後の「ツィガーヌ」は1曲目の「クロイツェル」同様、音を溜め込んで弾くスタイルでした。なかなか情熱的な演奏で良かったです。ちょっと残念だったのは弦が新しかったのか弦がこすれる音が頻繁にしていたことですね。弦がこすれる音ってけっこう耳につきますから。。。アンコールはチャイコフスキーの「瞑想曲」でした。こちらもなかなか悲しげな表現が上手く現れた演奏で良かったです。私としてはこの演奏が一番印象に残りました。終演後サイン会がありました。私が「写真を撮ってもかまいませんか?」と訊ねると「一緒に撮りましょう。」と気さくに答えて下さいました。(^○^)

1999年リサイタル 2003年3月9日(日)オーケストラアンザンブル金沢栗東公演
◆指揮 岩城宏之
◆場所 栗東芸術文化会館SAKIRA大ホール
◆プログラム
J.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.77
J.ブラームス/交響曲第4番ホ短調Op.98

川久保さんのブラームスがどんな演奏なのか聴いてみたくて栗東まで出かけて行きました。この日は非常に寒かったのですが遠出して良かったと思います。想像通り骨太で音量もあってなかなか迫力のある演奏でした。時々音程が不安定な部分もありましたが素直に演奏を楽しんでいる姿には感心しました。第1楽章のカデンツァをたっぷり歌わせてくれたのは嬉しかったです。(^O^)ホールがあまり被響かないためオーケストラの特に金管のあらが目立ってしまったのは残念でした。後半の交響曲第4番は少人数のオーケストラにしては低音も結構きいているなと感じました。低音楽器(コントラバス)を段上に立たせた効果でしょうか。(こういう並び方もあるんですね。パーカッションの前に立っていました。)この日は楽屋口に行かずに帰りました。(雪が舞っていたんですよ。風も強かったし。(^_^;))

2003年ヴァイオリンリサイタル 2003年9月25日(木)ヴァイオリンリサイタル
◆ピアノ 江崎昌子
◆場所 ザ・シンフォニーホール
◆プログラム
M.ラヴェル/ツィガーヌ
C.フランク/ヴァイオリン・ソナタイ長調
G.ガーシュウィン
(J.ハイフェッツ編)/「ポーギーとベス」から
             1.サマータイム〜女は気まぐれ
             2.あの人は逝ってしまった
             3.そんなことはどうでもいいさ
             4.ベスよ、お前は俺のもの
S.S.プロコフィエフ/ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ長調Op.94bis

この日の観客動員は非常に悪く、たぶん5割くらい(700人くらい?)だったのではないでしょうか。大阪のコンサートに行くとよくこういう場に遭遇しますね。本当に残念です。賜紀さんは6月くらいに腕を怪我なさったそうです。そのためか当初の予定とは曲目がほとんど変更になりました。1曲目の「ツィガーヌ」は京都で聴いた時と同様に溜めてから弾くスタイルでメリハリもかなりはっきりした演奏でした。2曲目のフランクも同様でしたが、やや弾き方に粗い面があり、時折E線の音が耳につくのが気になりました。後半の「ポーギーとベス」は賜紀さんの本領が発揮された演奏でした。プロコフィエフのソナタ第2番も賜紀さんらしい演奏で良かったです。弦がこすれる耳障りな音が時折してしまうのは弦に原因もあるのでしょうが、彼女のボウイングがややダイナミックなせいもあるのでしょう。終演後サイン会があり、彼女と一緒に撮った写真にサインしていただきました。(^。^)

2003年読売日響名曲シリーズ 2003年12月1日(月)読売日響名曲シリーズ
◆指揮 外山雄三
◆場所 ザ・シンフォニーホール
◆プログラム
L.V.ベートーヴェン/「アテネの廃墟」序曲Op.113
J.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.77
J.ブラームス/交響曲第4番ホ短調Op.98

川久保さんのブラームスを聴くのはこれで2度目です。全体的音程が不安定だったのが残念でした。(楽章の間でチューニングを何度もしておられました。)それでも素直に自分のブラームスを演奏する姿には感心させられました。相変わらず骨太で音量も迫力もある演奏でした。カデンツァは綺麗に歌わせていましたし、コントラストもはっきりしていました。読響について不満に思ったのが全体的に金管(特にホルン)の立ち上がりが悪く、酷い時はあきらかに遅れて出ているのがわかってしまう部分がありました。せっかくのプログラムなのにもったいないと感じました。

2007年兵庫芸術文化センター管第8回定演 2007年3月18日(日)兵庫芸術文化センター管弦楽団
             第8回定期演奏会
◆指揮 クリスチャン・ヤルヴィ
◆場所 兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール
◆プログラム
J.アダムズ/ダンス音楽「主席は踊る」
        〜管弦楽のためのフォックストロット
D.D.ショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調Op.77
L.V.ベートーヴェン/交響曲第7番イ長調Op.92

このコンサートはチケットが完売していたため元々行く予定はなかったのですが、思いがけずチケットをいただいたので聴いて来ました。(寒の戻りでこの日は非常に寒かったのです。(>_<))1曲目の「主席は踊る」の「主席」は毛沢東のことなのだそうです。同じ節回しがずっと登場しながら変化していくコミカルな曲でした。2曲目で淡いグリーンのドレスで川久保さんが登場しました。それにしても最近ショスタコーヴィチを聴く機会が多いです。川久保さんがどんな演奏をするのか楽しみでしたが、第1楽章の出だしから暗く力強い音で聴かせてくれました。音量もオケと対等に渡り合えるくらいにありました。第2楽章は少し音程が怪しいところもありましたが、まるでダンスを踊るかのような調子でスケルツォを弾いていました。やはり音程が気になったようでこの楽章が終わった後に調弦をしていました。第3楽章では再び暗い音色でカデンツァを聴かせてくれました。素晴らしい表現力です。第4楽章を演奏し終わるまで退屈することない集中力を感じさせる演奏を聴かせてくれました。芸術文化センター管弦楽団の演奏を聴くのは初めてでしたが、かなりの力演でした。曲が終わった直後には「ブラヴォー!」の声もありました。後半のベートーヴェンの7番は一糸乱れぬ、テンポのいい演奏で指揮のヤルヴィさんもかなりのりのりでした。鳴り止まない拍手に応えてアンコールはB.バルトークのルーマニア民族舞曲Sz.56から第5曲、第6曲、第7曲でした。終演後ヤルヴィさんと川久保さんにサインをいただきました。

サイン