竹澤恭子
Kyoko Takezawa
      
2006年大阪シンフォニカー第107回定演 2006年3月10日(金)大阪シンフォニカー交響楽団第107回
             定期演奏会
◆指揮 大山平一郎
◆場 所 ザ・シンフォニーホール
◆プログラム
L.V.ベートーヴェン/劇音楽「エグモント」Op.84序曲
J.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.77
J.ブラームス/交響曲第4番ホ短調Op.98

竹澤さんがブラームスを演奏するというので久しぶりにシンフォニーホールに出かけて行きました。竹澤さんの演奏を聴くのもかなり久しぶりです。最近は景気が回復しているからでしょうか客入りはどのコンサートに行っても良いように感じます。この日も9割は入っていたと思います。プログラムを読んだところ竹澤さんは最近ヴァイオリンを変えられたそうです。前の楽器は低音にパワーがある楽器でしたが、今回の楽器は高音が非常に綺麗で聴いていて心地よく感じました。1楽章は音程がくるったりする場面がありました。カデンツァではそれが目立ってしまいました。この日は雨でしたからしかたがないのかもしれません。2楽章に入る前に調弦をしていました。2楽章からは持ち直して曲の入りから綺麗にヴィヴラートをかけて歌っていました。3楽章のクライマックスも非常に綺麗な音色で迫力もありました。彼女のヴァイオリンは相変わらず音量があり、全体的にシャープな演奏スタイルですが、以前と違って内面的な表現力はアップしたように感じました。前のようにクールな演奏ではないのです。鳴り止まない拍手に応えて何度も舞台に登場していました。それにしてもシンフォニーホールの3階席で聴くとオケのあらが本当に目立ちますね。特に前半は全体的に曲の入りが微妙にそろっていなかったり、金管特にホルンの立上りが悪いのが目立ちました。後半のブラームスの4番は結構力演だったと思いますが。

2006年リサイタル 2006年3月26日(日)ヴァイオリンリサイタル
◆ピアノ 江口玲
◆場 所 京都コンサートホール小ホール
◆プログラム
R.V.ウィリアムス/揚げひばり
E.エルガー/ヴァイオリン・ソナタホ短調Op.82
B.バルトーク/ヴァイオリンとピアノのためのラプソディー第1番
          BB94a(Sz.86)
J.ブラームス/ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調Op.108

約6年ぶりに竹澤さんのリサイタルに行ってきました。全体的に躍動感のある曲が中心で彼女には合っていたと思います。相変わらずヴァイオリンの音量も大きくてもっと大きなホールでも大丈夫なくらいでした。1曲目からいきなり技巧的な「あげひばり」でした。ひばりが舞い上がり飛ぶ様子を描いた曲なのだそうでこのリサイタルで聴くまで知らなかった曲でもあります。2曲目のエルガーのソナタがこの日の演奏では一番良かったかなと感じました。後半もバルトーク、ブラームスと濃い内容の曲目でした。ブラームスについてはもう少し奥の深さが欲しいです。というか全体的に音量があって迫力は満点なのですがその分コントラストが少し足りないように感じてしまうのです。その点が少し残念でした。

アンコールは
1.E.エルガー/愛の挨拶Op.12
2.P.サラサーテ/ツィゴイネルワイゼンOp.20

でした。メインが濃い曲目ばかりだったのでアンコールのエルガーの「愛の挨拶」が癒しになって良かったです。終演後サイン会がありました。

2007年リサイタル 2007年7月11日(日)デビュー20周年シリーズT
             ヴァイオリンリサイタル
◆ピアノ 江口玲
◆場所 ザ・フェニックスホール
◆プログラム◆
F.メンデルスゾーン/ヴァイオリン・ソナタヘ長調
L.ヤナーチェク/ヴァイオリン・ソナタ
E.H.グリーグ/ヴァイオリン・ソナタ第3番ハ短調Op.45
B.スメタナ/「わが故郷」より2つの二重奏曲
B.バルトーク/ヴァイオリンとピアノのためのラプソディー第2番
          Sz.89

竹澤さんのデビュー20周年記念リサイタルシリーズの第1回目のコンサートでした。全体的に玄人受けしそうな曲でまとめられていました。メンデルスゾーンのソナタは以前1度だけ聴いたことがありましたが、その時はあまり印象に残らなかったのでどんな曲なのかも忘れていました。かの有名なヴァイオリニストメニューインが発見した曲なのだそうです。第3楽章が印象的でした。竹澤さんと江口さんの一糸乱れぬ演奏に圧倒されました。次のヤナーチェクは個人的には2楽章の弱音と強音のコントラストがもう少し欲しかったですが、迫力ある素晴らしい演奏でした。後半のグリーグのソナタ第3番はメンデルスゾーン同様竹澤さんと江口さんの一糸乱れぬ演奏に圧倒されました。特に第3楽章はリズムが複雑なのでヴァイオリンとピアノのタイミングを合わすのが非常に難しいと思うのですが、タイミングがぴったりと合っていました。最後の曲目バルトークのラプソディー第2番も素晴らしい演奏でした。演奏後「ブラヴォー!」の声もありました。全体的に迫力と演奏テクニックに圧倒された演奏会でした。個人的にはこのコンビの演奏でこのプログラムだともう少し広いホールの方が良いと思います。(竹澤さんのヴァイオリンは音量がある上、江口さんも竹澤さんの音量に合わせてピアノのタッチを強くしていましたので、うるさく感じてしまう面もありました。)

アンコールは
1.A.ドヴォルザーク(F.クライスラー編)/スラブ幻想曲
2.アイルランド民謡(F.クライスラー編)/ロンドンデリーの歌

でした。技巧的な曲が続いた後の「ロンドンデリーの歌」は非常に心地よかったです。終演後サイン会がありました。(江口さんがピアノを弾かれるコンサートにはよく行くので私の顔を覚えてくださっています。)

2008年リサイタル 2008年11月22日(土)デビュー20周年シリーズU
              ヴァイオリンリサイタル
◆ピアノ 小川典子
◆場 所 ザ・シンフォニーホール
◆プログラム
C.A.ドビュッシー/ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
E.A.イザイ/冬の歌Op.15
F.J.M.プーランク/ヴァイオリン・ソナタ(1943)
O.メシアン/ヴァイオリンとピアノのための幻想曲
C.フランク/ヴァイオリン・ソナタイ長調

昨年に引き続き竹澤さんのリサイタルに行ってきました。曲はアンコールも含めて全てフランス物でまとめられていました。ピアノは小川典子さん。彼女のピアノを聴くのは初めてです。1曲目はドビュッシーのヴァイオリン・ソナタでした。音程が少し不安定なところもありましたが徐々に調子が上がってきた感じでした。2曲目のイザイはベルギー生まれの有名なヴァイオリニストだった人で無伴奏ヴァイオリンソナタが有名です。「冬の歌」は初めて聴く曲でしたが、とても綺麗で繊細な曲でした。この曲の途中で凄い音がしました。どうやらピアノ線が切れたようです。ヴァイオリンの弦が切れる場面にはよく遭遇するのですが、ピアノ線が切れるのに遭遇するのは初めてです。3曲目のプーランクのヴァイオリン・ソナタは過去に1度聴いたことがあるのですが、その後演奏会で聴く機会に遭遇したことはありませんでした。不協和音を伴う曲ですが第2楽章はとても美しくピアノの聴かせどころも多くあります。小川さんのピアノがやや強すぎるように感じる面もありましたが、竹澤さんのヴァイオリンは繊細な表現が上手いと感じました。後半1曲目のメシアンは現代曲ということもあって少しとっつき難い曲でした。最後のフランクの第1楽章のヴァイオリンは楽譜には音を切らずにレガートに弾くように書いてあるのですが、竹澤さんは音を2つに区切って弾いておられ、そうすることでリズムがくっきりとしているように感じました。2楽章は竹澤さんのヴァイオリンも小川さんのピアノもお互いに激しく自己主張して弾いている印象を受けました。3楽章、4楽章もそのスタイルに変わりはない印象を受けました。それはそれで良いと思うのですが、個人的には第3楽章などはもう少し繊細な表現が欲しいなぁと思いました。

アンコールは
1.C.A.ドビュッシー/亜麻色の髪の乙女
2.M.ラヴェル/ハバネラ

でした。終演後サイン会が行われ、お2人にサインをいただきました。(^^♪次回は2009年の12月にオールブラームスプログラムで行われる予定だそうです。

サイン