諏訪内晶子
Akiko Suwanai
      
2004年大阪フィル第378回定演 2004年5月27日(木)・28日(金)大阪フィルハーモニー交響楽団
                    第378回定期演奏会
◆指揮 秋山和慶
◆場所 ザ・シンフォニーホール
◆プログラム
C.E.アイヴズ/ニューイングランドの3つの場所
I.ストラヴィンスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ長調
R.シュトラウス/交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」Op.30

大フィルが本拠地をシンフォニーホールに移してからコンサートに行くのも同じプログラムで2日続けて行くのも今回が初めてでした。それにしてもお客さんがよく入っていました。ソリストが諏訪内さんだからなのか、大フィルが集客に務めているからなのかはわかりませんが両日共ほぼ満席でした。27日は1階席正面前方で、28日は2階席正面後方で聴いてみました。プログラムは後期ロマン派以降で固められていました。ストラヴィンスキーは諏訪内さんのクールな演奏スタイルにはよく合っていると思います。途中少し音程が揺れる場面がありましたが全体的には申し分ない演奏でした。「ドルフィン」もよく鳴っていました。私としては27日の方が良かったように感じました。前方で聴くと管楽器の音が抜けてしまうことと、オーケストラの粗が目立ってしまう点が難点なのですが、音量のバランスは良く感じました。2階で聴くとヴァイオリンの音量がオーケストラの音量に負けてしまってやや迫力不足に感じました。両日共鳴り止まない拍手に応えてアンコールにJ.S.バッハの無伴奏ソナタ第3番から「ラルゴ?」を演奏されました。後半のツァラトゥストラですが、両日共金管の出だしがピタッと揃って欲しかったです。(^_^;)(贅沢なのでしょうか。)この曲理屈っぽい曲に感じて以前はあまり好きではなかったのですが、改めて聴いてみると楽器編成も面白いしヴァイオリンのソロもあったりして聴き応えのある曲です。終演後のサイン会の対応は非常に丁寧で良かったです。諏訪内さんがサインしないことは予想はついていたので期待はしていなかったのですが、帰られたことをきちんとアナウンスしていました。

2008年リサイタル 2008年4月13日(日) ヴァイオリンリサイタル
◆ピアノ ニコラ・アンゲリッシュ
◆場所 ザ・シンフォニーホール
◆プログラム
W.Aモーツァルト/ヴァイオリン・ソナタ第40番変ロ長調K.454
C.A.ドビュッシー/ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
J.ブラームス/ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調Op.100
J.ブラームス/ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調Op.108

諏訪内さんの演奏を聴くのは約4年ぶりリサイタルを聴くのは約6年ぶりのことです。この日の集客は8割ぐらいでしょうか。当初予定されていたプログラムが変更になり、後半が私が好きなブラームスのソナタに変更になりました。「ドルフィン」は相変わらず明るい音色でした。1曲目のモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ40番は聴きやすい演奏でした。古典派というよりはロマン派的なモーツァルトに思えましたが結構良かったと思います。2曲目のドビュッシーのソナタの1楽章のテンポはややゆっくりめで間を取りながら演奏していました。2楽章以降にもそういう面がありました。良い演奏でしたが、個人的には切れのある演奏が好きなので彼女の演奏はちょっと意外に感じました。後半のブラームスのソナタを聴いてやはり以前の彼女の演奏と変わった印象を受けました。2番のソナタもテンポはゆっくりめでした。2楽章は結構歌っているように感じました。とにかくヴァイオリンの鳴りが良かったです。私個人は今までの彼女のにはなかった面を多々感じたので良かったと思ったのですが、聴衆の反応が今一つなように感じました。(少なくとも私の周りに座っていた人達は拍手喝采という感じではありませんでした。)最後のブラームスの3番が一番良かったと思います。1楽章の入りの部分ですがかなり間を取った感じの演奏でした。テンポは私好みで2楽章は聴いていて非常に心地良く感じました。全体的に感じたことですがピアノのアンゲリッシュさんとの息がぴったりとは感じなかったのです。(アンゲリッシュさんのピアノは素晴らしかったのですが、諏訪内さんは全体的にかなり間を取りながら演奏をしていたので明らかにピアノとずれているわけではないのですが、何となく合っていないなぁと感じたのです。)

アンコールは
1.J.ブラームス/ハンガリー舞曲第2番ニ短調
2.S.S.プロコフィエフ/5つのメロディOp.35bisから第1番

でした。ブラームスが良かったです。終演後サイン会がありました。(^^♪諏訪内さんにサインをいただいたことはこれまでに2回ありましたが、漢字ではないサインをいただいたのは初めてでした。予断ですがシンフォニーホールは以前と比べずいぶんとサイン会の対応が良くなったと思います。

2008年フィルハーモニア管弦楽団大阪公演 2008年12月10日(水)フィルハーモニア管弦楽団大阪公演
◆指揮 ウラディーミル・アシュケナージ
◆場所 フェスティバルホール
◆プログラム
J.ブラームス/大学祝典序曲ハ短調Op.80
F.メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64
J.ブラームス/交響曲第1番ハ短調Op.68

フィルハーモニアの演奏を聴くのは約1年ぶりです。フェスティバルホールは老朽化のため年明けからは建て替え作業に入るので、これが旧フェスティバルホールでの聴き収めということになりました。オケの配置はモダンな配置でした。1曲目の「大学祝典序曲」ですでに感じたことですが、低音が鳴っていないのです。コントラバスの人数が結構いるのにもかかわらずです。2曲目のメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は諏訪内さんの演奏で聴くのはこれで2度目です。この日の衣装はワインカラーでした。第1楽章ではやや音程に不安定なところもありましたが、徐々に持ち直して行きカデンツァはとても良かったです。諏訪内さんの演奏は相変わらずクールなところがもりますが、全体的には表情豊かな演奏でした。第2楽章は透明感のある音でヴァイオリンもよく歌っていました。この楽章フルートがヴァイオリンと同じ旋律を演奏しているところがあって綺麗ですよね。(今まであまり意識したことがなかったのですが、なぜかこの日の演奏ではフルートの音に耳が傾きました。)第3楽章のヴァイオリンの技巧的で軽快な旋律の出来も良かっと思います。終演後「ブラヴォー!」の声も飛び交い、鳴り止まない拍手に応えてのアンコールはJ.S.バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番ハ長調BWV.1005から「ラルゴ」でした。後半はブラームスの交響曲第1番でした。1曲目同様やはり低音が鳴っていませんね。音色はとても綺麗に聞えてくるのですが物足りなく感じてしまいます。ホールのせいでしょうか?それともアシュケナージさんの解釈なのでしょうか?アンコールはF.P.シューベルトの楽興の時第3番D780,Op.94でした。終演後CD購入者対象にアシュケナージさんのサイン会があると思い切りアナウンスしていました。(今までのフェスティバルホールではこんなに宣伝していることはありませんでしたね。)今回は諏訪内さんのサイン会はありませんでした。

2010年ロンドン交響楽団 2010年11月26日(金)ロンドン交響楽団
◆指揮 ワレリー・ゲルギエフ
◆場所 サントリーホール
◆プログラム
J.シベリウス/ヴァイオリン協奏曲ニ短調Op.47
G.マーラー/交響曲第1番ニ長調「巨人」

久しぶりに東京までコンサートを聴きに行ってきました。諏訪内さんの演奏を聴くのは約2年ぶりです。ゲルギエフさんの指揮で生演奏を聴くのは初めてでした。シベリウスの協奏曲良かったです。ずいぶん前に聴いた時よりも繊細で寒々とした表現がよく現れている演奏でした。拍手喝采に応えてアンコールはJ.S.バッハの無伴奏ソナタ第2番より第3楽章「Andante」でした。休憩を挟んで後半はマーラーの交響曲第1番。私は初めてでしたが両翼配置での演奏でした。真ん中に木管向かって右側に金管。最後列がパーカッションだったと思います。第1楽章のトランペットのファンファーレの遠近感もよく現れていましたし、ゲルギエフさんのこだわりが効いた演奏だと思いました。木管も良かったし、森の中の様子が上手く描かれているように思えました。終演後は大喝采で「ブラヴォー!」の嵐でした。アンコール、サイン会はありませんでした。ちなみにこの日はチケットが完売でした。チラシが品切れだったそうでパンフレットが記念になりました。

2012年リサイタル 2012年4月22日(日) ヴァイオリンリサイタル
◆ピアノ イタマール・ゴラン
◆場所 ザ・シンフォニーホール
◆プログラム
R.シューマン/ヴァイオリン・ソナタ第1番イ短調Op.105
L.V.ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調Op.24「春」
G.エネスコ/ヴァイオリン・ソナタ第3番イ短調Op.25
        「ルーマニアの民俗風で」
B.バルトーク/ルーマニア民俗舞曲Sz.56

諏訪内さんのりリサイタルを聴くのは約4年ぶりのことです。ザ・シンフォニーホールの開館30周年記念のコンサートでした。ゴランさんの演奏は庄司紗矢香さんとのコンビで何度も聴いていましたが諏訪内さんとのコンビでは初めてでした。ゴランさん相変わらず強いタッチの演奏でした。諏訪内さんは黒のドレスでした。1曲目のシューマンのソナタ第1番と2曲目の「スプリングソナタは時々音がずれそうになったところがありました。お2人のテンポがかみ合っていないところがあったのが残念でした。休憩を挟んで後半はルーマニアの民族音楽で固めていました。エネスコはメリハリのはっきりした演奏でフラジオレットも綺麗でしたし良かったと思います。個人的には「ルーマニア民俗舞曲」が熱演で一番良かったと思うのですが、この曲終りが「え?終わったの?」と感じる終わり方なので拍手がバラバラと起こってしまいました。お客さんの反応が全体的に今一つな気がしましたが、来てよかったです。

アンコールは
1.F.クライスラー/シンコペーション
2.C.A.ドビュッシー/亜麻色の髪の乙女
3.E.ブロッホ/組曲「バール・シェム」からニーグン

でした。「シンコペーション」と「亜麻色の髪の乙女」の間の取り方が独特に感じました。余談ですが、新しく出たCDを購入した際に終演後のサイン会のアナウンスがされていました。今までシンフォニーホールで事前アナウンスはなかった気がするので嬉しかったです。お2人にサインをいただきました。(*^_^*)雨の中ホールを半周するほどたくさんの人が並んでいました。

2014年オスロ・フィルハーモニー管弦楽団 2014年3月21日(金・祝)オスロ・フィルハーモニー管弦楽団
◆指揮 ヴァシリー・ペトレンコ
◆場所 ミューザ川崎シンフォニーホール
◆プログラム
W.A.モーツァルト/ 歌劇「フィガロの結婚」序曲 K.492
F.メンデルスゾーン/ ヴァイオリン協奏曲ホ短調
G.マーラー/交響曲第1番ニ長調「巨人」

ミューザ川崎は以前から行ってみたいと思っていたホールの1つでした。諏訪内さんの演奏を聴くのは約2年ぶり、オスロ・フィルの演奏を聴くのは1993年に聴いて以来、実に21年ぶりです。ペトレンコさんはまだ38歳。諏訪内さんより年下のロシア生まれの指揮者です。1曲目の「フィガロの結婚」はややピリオド楽器風の演奏でした。2曲目のメンコンで諏訪内さんは真っ赤なドレスで登場しました。私はこの日4階席の後ろの方に座っていましたので、よく見えなかったのですが、「音楽の友5月号」の写真によればとても素敵でした。この日より2日前に大阪で聴いた五嶋みどりさんのメンコンは音量が物足りなく感じたのに対し、諏訪内さんの演奏は4回にいてもオケとのバランスも良くとてもエレガントだと感じました。ヴァイオリンもとてもよく鳴っていました。終演後は「ブラヴォー!」の嵐状態になりました。鳴り止まない拍手に応えてアンコールは

J.S.バッハ/無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番ホ長調BWV.1006より「ルーレ」でした。

その後も拍手は鳴り止まず何度も舞台に登場されました。さて、後半のマーラー「巨人」ですが、指揮者のペトレンコさんがまだお若いこともあってか、やや荒削りな演奏に感じました。テンポはかなり速めでした。ここのところインバルさんの演奏に慣れてしまっている私には少々違和感を覚えました。この曲最後にホルンが立ち上がってそのまま最後まで演奏するのが普通なのですが、立ち上がってからしばらくしたら座って演奏していました。(かえって難しいのでは。。。)全体的にホルンの調子が今一つ良くなかったのが残念でした。それでも終演後は「ブラヴォー!」の嵐状態でした。鳴り止まない拍手に応えてアンコールは

J.ブラームス/ハンガリー舞曲第6番 変ニ長調でした。ミューザ川崎の音は好みだったのでまた機会があれば訪れたいと思います。

サイン