諏訪内晶子
Akiko Suwanai
      
2001年読売日響横浜特別演奏会 2001年3月9日(金)読売日本交響楽団横浜特別演奏会
◆指揮 ゲルト・アルブレヒト
◆場所 横浜みなとみらいホール大ホール
◆プログラム
J.ブラームス/悲劇的序曲Op.81
J.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.77
J.ブラームス/交響曲第4番ホ短調Op.98

大好きなブラームスの協奏曲を演奏するということで横浜まで出かけて行ってきました。新幹線が雪の影響で遅れたりしてちょっとはらはらしました。 諏訪内さんが目当ての人がほとんどだったと思いますが、ほぼ満席に近い状態でした。3階席にいたためか音量が物足りなく聞こえました。 いえ、ホール自体あまりよくないと思います。低音が抜け気味です。諏訪内さんは第1楽章はやや力んだ感じで、弦がこすれる雑音も多かったように感じました。 私が良いと感じたのは第2楽章で実に滑らかに朗々としたつややかな音色で心地よかったです。第3楽章は第1楽章同様に思えました。 後半の交響曲でオケの音量が急にアップしたように感じられたので、協奏曲の演奏ではかなり音量を落として演奏していたのでしょう。 やはりブラームスは難しい。次回に期待したいと思います。読響は上手いオケが多い東京のオケにしては今一つでした。特に金管はそう感じられました。

2002年デュオ・リサイタル 2002年2月4日(月) デュオリサイタル
◆ピアノ ボリス・ベレゾフスキー
◆場所 ザ・シンフォニーホール
◆プログラム
L.V.ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調Op.47
             「クロイツェル」
K.シマノフスキ/「神話ー3つの詩」よりアレトォーザの泉Op.30-1
B.バルトーク/ヴァイオリン・ソナタ第1番(1921)

90年チャイコフスキーコンクールで優勝したペアでのリサイタル。プログラムが2転3転し、結局表記のようになりました。以前聴いたときよりははるかに良くなったように感じました。1曲目はの「クロイツェル」ではそれぞれのパートがメインになる部分と伴奏になる部分できちんと弾き分けられていました。諏訪内さんの音の切り方がやや雑だったような気はしましたが、それ以外は良かったです。後半は前衛的な曲のオンパレードで2人の本領発揮といった感じでした。「バルトークのソナタ」はベレゾフスキーさんのピアノの音量が大きすぎてヴァイオリンの音より勝ってしまう部分もありましたが、全体的に非常にきれのある演奏で良かったと思います。個人的には「アレトゥーザの泉」が一番良かったと思いました。アンコールのバルトークの「ルーマニア民族舞曲」は諏訪内さんの音がややダンゴ状態で少し残念に感じました。次のラフマニノフの「ヴォカリーズ」が非常に良かったです。諏訪内さんの演奏はかつてはテクニックは完璧だけれど表現の深みがないなと感じ、不満に思ったものでしたが、この日はとても心に沁みる演奏でしたから。私はこの後外に出ましたがこの後もう2曲演奏したそうです。その後楽屋口に向い30分以上待っていました。この日はサイン会はなく、2人はタクシーに乗って去って行きました。他のアーティストのコンサートの場合、いつもならサイン会があるかないかをスタッフが言いに来るのですが、なぜかこの日は多勢のお客さんが待っているにもかかわらず何の案内もありませんでした。いつも感じることですが梶本音楽事務所の東京のスタッフは高飛車で好感が持てません。コンサート企画もサービス業的な面をもっているのですからもっと段取り良く丁寧に対応していただきたいものです。(-"-)

2002年リサイタル 2002年9月12日(木)ヴァイオリンリサイタル
◆ピアノ 金子陽子
◆場所 太子町立文化会館あすかホール
◆プログラム
G.タルティーニ/ヴァイオリン・ソナタト短調「悪魔のトリル」
J.ブラームス/ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調Op.78「雨の歌」
M.ラヴェル/ヴァイオリン・ソナタト長調(1927)
P.サラサーテ/ツィゴイネルワイゼン
P.サラサーテ/序奏とタランテラOp.43

プログラムが聴き応えのありそうなものばかりだったので遠いところでしたが(はっきり言ってかなり僻地でした。駅からバスは1時間に1本しかありませんし。。。(^_^;))聴きに出かけて行きました。ホールの音響は良い方でした。1曲目の「悪魔のトリル」、2曲目の「雨の歌」は実に深みのある音色で良い演奏でした。特にブラームスは良かったです。楽器もいいからなのですが、最近の彼女は情緒豊かな演奏をするようになったように感じます。後半のラヴェルも聴き応えがありました。「ツィゴイネルワイゼン」と「序奏とタランテラ」は少し急ぎすぎといいますかせせこましい感じの演奏に思えました。「ツィゴイネルワイゼン」では途中少しひやっとする場面もありました。もう少しジプシーらしさが欲しいところです。テクニックは申し分ないですが。。。それから全体的にピアノと噛み合っていない部分があったのが残念でした。アンコール1曲目の「ヴォカリーズ」は相変わらず良い演奏でした。ところで田舎でのコンサートでありがちですが、楽章の間で拍手が起こりそうになりました。どう考えても感動のあまりではありませんでした。それから拍手が早い人もいました。「ブラヴォー!」と叫ぶ人もいました。これは田舎では珍しいことです。終演後サインをいただこうと楽屋口へ行きましたが、疲れているのでとのことでサインはいただけませんでした。若干1名子供にサインをもらわせている「ずうずうしい」お母さんがいましたが。サインが欲しいのはみんな同じです。抜け駆けは止めていただきたいです。

2002年バーミンガム市交響楽団 2002年9月22日(日)バーミンガム市交響楽団
◆指揮 サカリ・オラモ
◆場所 京都コンサートホール大ホール
◆プログラム
E.エルガー/序曲「コケイン」−ロンドンの下町Op.40
W.ウォルトン/ヴァイオリン協奏曲
J.シベリウス/交響曲第2番二長調Op.43

1曲目の「コケイン」については曲をく知らないのでコメントはあえてしないことにします。2曲目のウォルトンのヴァイオリン協奏曲はハイフェッツが委嘱した作品なのだそうです。(諏訪内さんが使用している楽器をハイフェッツが使用していたことから彼女が演奏したいと望んだのだそうです。)ハイフェッツのCDで聴いた限り、1楽章は綺麗な音色で2・3楽章はアクロバット的な曲という印象を受けていました。この日の諏訪内さんの演奏なかなか良かったと思います。1楽章も上手く歌わせて弾いていたと思いますし、2・3楽章もこれといったミスはありませんでした。この日は前から3列目という最悪の場所に座っていたにもかかわらずヴァイオリンの音色は直接音なはずなのに少しも嫌だとは思いませんでした。ただこの曲の性質上ヴァイオリンの演奏ばかりに気が入ってしまいオーケストレーションがよくわからなかったのが残念です。後半のシベリウスの第2番ですが、今までは途中で聴いているのに疲れてしまっていました。この日は演奏内容が非常に良いと感じたためか最後まで退屈することもなく聴くことができて良かったと思います。指揮者のサカリ・オラモさんがフィンランドの方だからなのか、シベリウス独特の世界が上手く表現出来ていたと感じました。アンコールはやはり「フィンランディア」でした。終演後感動を胸にサインをいただこうと楽屋口へ向かいました。諏訪内さんはすでに帰ってしまっていましたが、オラモさんのサインはいただくことが出来ました。このとき残念だったのが梶本のスタッフの態度が横柄だったことと京都コンサートホールの係員がやはり偉そうに「早く出て下さい!」と言ってきたことです。非常に不愉快に感じました。

2003年グスタフ・マーラー・ユーゲント・オーケストラ 2003年4月26日(土)グスタフ・マーラー・ユーゲント・オーケストラ
◆指揮 ピエール・ブーレーズ
◆場所 愛知県芸術劇場コンサートホール
◆プログラム
A.ベルク/ヴァイオリン協奏曲−ある天使の思い出に−(1935)
G.マーラー/交響曲第6番イ短調「悲劇的」

土曜日だったこともあって名古屋まで出かけて行きました。期待していたベルクですが、まずオーケストラの音量が勝ちすぎてソロが部分的に聴こえないところがありました。以前ベルリンでムローヴァの演奏を聴いたときは第1音から鳥肌が立つ程の感動を覚えましたが、この日はやや期待外れでした。諏訪内さんは色々考えて演奏していたのでしょうが、彼女が何を訴えようとしていたいのかがわからないのです。テクニックは抜群だし音色も透明感があって良かったのですがあともう一歩踏み込んだ演奏をして欲しかったなと感じました。後半のマーラーの6番は実にとらえどころのない曲に感じましたが、終楽章では「ハンマー」(本当に巨大なハンマーで驚きました。)が登場したりして目で見ると面白みのある曲に感じました。こちらはオーケストラの本領発揮といった感じがしました。それにしても団員は若いせいかノリがとても軽かったです。終演後は足を盛んに踏み鳴らしたりしていました。終演後楽屋口で待っていましたがお2人共急いでおられたようでサイン会はありませんでした。

2003年シンシナティ交響楽団 2003年11月14日(金)シンシナティ交響楽団
◆指揮 パーヴォ・ヤルヴィ
◆場所 ザ・シンフォニーホール
◆プログラム
J.シベリウス/交響詩「フィンランディア」Op.26
J.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.77
H.ベルリオーズ/幻想交響曲〜ある芸術家の生涯のエピソード〜
           Op.14

曲目が大好きなブラームスの協奏曲なので楽しみにしていました。考えてみれば指揮がヤルヴィさんでヴァイオリンが諏訪内さんで大阪フィルとの共演で1度聴いているんですよね。1曲目の「フィンランディア」は可もなく不可もなくといった内容の演奏でした。2曲目で諏訪内さんが登場し、ブラームスの演奏が始まったのですが、演奏中に2階席でフラッシュを3度たいた人が1人いました。その人の席からは諏訪内さんは後姿しか見えなかったはずだと思うので、後姿なんか撮影してどうするんだろうと思いました。その人の近くにいた人がいったん外へ出てホールの担当者に言ったのでしょう。第1部終演後お詫びの場内アナウンスが流れていました。写真を撮った本人はホールの担当者ともめていたようです。困った人もいたものです。それにしても彼女の舞台衣装は最近目のやり場に困るだろうなと思えるものが多いです。(背中が思い切り開いた物とか、思い切りスリットが入ったものとか。。。(^_^;))この日も紫色の背中が思い切り開いた、衣装を着ていました。ご本人はどう思っているのか知りませんが、はっきり言ってあの手の格好は似合わないと思うのですけど。。。(^_^;)曲目とも合っていない気がしますし。ところで諏訪内さんは骨折したと聞いていましたが、演奏内容は非常に良かったと思います。以前横浜で聴いた演奏よりこの日のほうが安定していました。第2楽章もたっぷり歌っていましたし。ぜいたくを言えば音に深みがあればもっと良かったと思います。後半のベルリオーズですが3楽章のファゴットとオーボエの掛け合い部分でオーボエが舞台袖で演奏し、上手く遠近感を出しているところなど上手い演出だなぁと思いました。時々金管の立ち上がりが悪いのには不満が残りましたが。終演後ヤルヴィさんにはサインをいただきました。とても気さくな方で歩いて行くのに遭遇しました。