日下紗矢子
Sayako Kusaka
      
2001年関西フィル「みどりの日のコンサート」 2001年4月29日(日)みどりの日コンサート
◆指揮 藤岡幸夫
◆管弦楽 関西フィルハーモニー管弦楽団
◆場所 ザ・シンフォニーホール
◆プログラム
吉松隆/鳥たちの祝祭への前奏曲(関西初演)
C.A.ドビュッシー/交響詩「海」
C.A.ドビュッシー/牧神の午後への前奏曲
M.ラヴェル/ツィガーヌ
M.ラヴェル/「ダフニスとクロエ」第2組曲    

日下さんはパガニーニ国際音楽コンクールで第2位、日本音楽コンクールで第1位、シベリウス国際ヴァイオリンコンクールで第3位とここのところたてつづけにコンクールに入賞している関西出身のヴァイオリニストです。彼女の演奏を聴くのはこの日が初めてでした。出だしから骨太な音で「ツィガーヌ」を弾いてくれました。途中ちょっと荒くなってしまったところもありましたが結構良い演奏でした。今度はもっと長い曲で聴いてみたいですね。藤岡さん指揮での関フィルの演奏も初めて聴きました。藤岡さんが若いからか、全体的に若々しい元気な演奏でした。特に後半の「ダフニスとクロエ」が元気いっぱいの演奏でした。繊細な面がもっと磨かれればいうことなしって感じでした。全体的に管楽器が活躍する曲が多かったのにもかかわらず、気付いた限りではミスはほとんどなかったと思います。終演後、サインをいただきに行きましたら、日下さんはちょっと照れた様子でサインして下さいました。藤岡さんは舞台上でも愛想が良い人ですが、サイン会でもやっぱり愛想が良かったです。(^○^)

2003年かんでんクラシックイン京都 2003年9月15日(月・祝)かんでんクラシックイン京都
◆指揮 西本智実
◆管弦楽 京都市交響楽団
◆場所 京都コンサートホール大ホール
◆プログラム
C.M.ウェーバー/歌劇「オベロン」序曲
P.I.チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35
S.S.プロコフィエフ/「ロミオとジュリエット」より

指揮者の西本智実さんの人気のせいでしょうか、チケットは完売でした。日下さんの演奏を聴くのはこれで2度目です。今回はチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲でした。演奏はいたってスタンダードな演奏でしたが聞き易くなかなか良かったと思います。カデンツァのフラジオレットなども綺麗に決まっていました。この日は3階席に初めて座ったのですが、京都コンサートホールが広すぎるからなのか音が全部抜けてしまって、特に低音なんて本当に物足りなく感じました。後半の「ロミオとジュリエット」の方が西本さんの本領が発揮出来ていて良かったと思います。それにしても関西のオケの金管はどうしてどこも音の立ち上がりが悪いのでしょうか。その点が気になりました。終演後サイン会があるのかないのかはっきりしないまま待っておられる方がたくさんおられました。終演後かなり時間が経ってからやっと主催者がサイン会はない旨を説明しに出て来ました。この日のスポンサーの関西電力のレセプションがあるため時間がないからとのことでしたが、それならそうと早めに説明に出てきて欲しいですし、他のコンサートでは仮にレセプションがあってもサイン会を行なってからにしたりもします。段取りも悪いし、お客さんを大事にする気配りに欠けていると感じました。

2009年デュオ・リサイタル 2009年6月20日(土)デュオ・リサイタル
◆ピアノ アレッシオ・バックス
◆場所 兵庫県立芸術文化センター神戸女学院小ホール
◆プログラム
J.ブラームス/スケルツォハ短調(F.A.Eのソナタ第3楽章)
J.ブラームス/ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調Op.78「雨の歌」
B.バルトーク(セーケイ・ゾルターン編)/
        ルーマニア民俗舞曲Sz.56
         1.棒踊り
         2.飾り帯の踊り
         3.足踏みの踊り
         4.ブチュムの踊り
         5.ルーマニア風ポルカ
         6.速い踊り
G.エネスコ/ヴァイオリン・ソナタ第3番イ短調Op.25
        「ルーマニアの民俗風で」

日下さんの演奏を聴くのは6年ぶり、リサイタルは初めてです。客席はほぼ満席。小ホールの響きは結構好きです。日下さんはベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団のコンサートマスターに就任されたのだそうです。1曲目のブラームスのスケルツォ、同じく2曲目の「雨の歌」は張りのある音でなかなかの力演だったと思います。音程も安定していました。ピアノのバックスさんとの息も合っていたと思います。楽譜ありで演奏していましたが、曲の途中で器用に譜めくりしていましたので「器用だな」と思って見ていました。欲を言えば音にもう少し表情が欲しかったです。休憩を挟んで後半はルーマニアの民俗音楽調の曲で固められていました。バルトークのルーマニア民俗舞曲はバルトークの曲にしては聴き易いので好きな曲です。元はピアノ版で作曲されましたがバルトーク自身が管弦楽曲版に編曲しています。ヴァイオリン版はハンガリーのヴァイオリニストセーケイ・ゾルターンが編曲したものです。フラジオレット、多彩な重音などヴァイオリン特有の技巧が民俗調のメロディの中に多彩に登場します。前半のブラームスに比べて弾きなれている感を受けました。次のヴァイオリン・ソナタ第3番はルーマニアの有名なヴァイオリニストであったエネスコが作曲したバルトークのルーマニア民俗舞曲にどことなく似たところがある曲です。ポルタメント、フラジオレットなど多彩な技巧が登場し、3楽章構成になってはいますがそれまでのソナタの楽章構成とはかなり異なっています。日下さんの演奏は非常に切れがあり、圧倒されました。終演後は「ブラヴォー!」の声もありました。鳴り止まない拍手に応えてのアンコールは

1.F.クライスラー/愛の悲しみ
2.F.クライスラー/ウィーン小行進曲
3.F.クライスラー/愛の喜び

でした。愛の喜びの出だしの伴奏が通常聴くものとは違っていました。3曲ともリズム感の良い演奏でした。終演後サイン会がありました。日下さんのサインは相変わらず控え目な感じです。

サイン