庄司紗矢香
Sayaka Syoji
      
2011年シドニー交響楽団 2011年11月12日(土)シドニー交響楽団
◆指揮 ウラディーミル・アシュケナージ
◆場所 兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール
◆プログラム◆
L.v.ベートーヴェン/「プロメテウスの創造物」序曲
L.V.ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61
S.V.ラフマニノフ/交響曲第2番ホ短調Op.27

楽しみにしていた演奏会でした。客席は2階、3階のサイドには空席がありましたが客入りは良い方でした。前半はオールベートーヴェンプログラムでした。オケは小編成でしたが、低音の利いたオーソドックスな演奏だと思いました。2曲目は紗矢香さんのベートーヴェンの協奏曲でした。エンジ色のドレスで髪はポニーテールにして登場しました。登場以前N響でノリントンとの共演では古楽器調でしたが、今回は2008年に金沢で聴いたベートーヴェン同様たっぷり歌わせるスタイルでした。ヴァイオリンの歌わせ方が上手いです。(^O^)カデンツァは紗矢香さんの自作でした。全体的にテンポはゆっくりで若かりし頃のムターカラヤンのを思い出させるような演奏でした。最後までヒートアップすることなく一音一音丁寧に弾いておられました。気になったのは静かな場面でパンフレットを落とす音等の雑音が目立ったこと。それがなければ言うことはない程良い演奏だと思いました。終演後は「ブラヴォー!」の声が飛び交っていました。拍手が鳴り止みませんでしたがアンコールはありませんでした。後半はラフマニノフの交響曲第2番でした。映画音楽のような曲です。この曲マーラーなみの大編成でチューバも登場します。弦楽器が交互に主旋律を弾く場面があったり、第3楽章は綺麗で良いと思うのですが全体的に同じことの繰り返しで全部で40分程度の曲ですが聴いていて疲れてしまいます。アシュケナージさんの演奏スタイルがゆっくりなので余計にそう思えました。でも良い演奏会でした。前半同様終演後「ブラヴォー!」の声が飛び交っていました。拍手はなかなか鳴り止みませんでしたがアンコールはありませんでした。曲が長かったからでしょうか?終演後サインをいただこうと楽屋口に並びましたが紗矢香さんもアシュケナージさんも帰られてしまってサイン会はありませんでした。(残念!!)

2012年ウィーン音楽祭 in OSAKA 2012年11月3日(土)ウィーン音楽祭 in OSAKA 2012
◆ピアノ ジャンルカ・カシオーリ
◆場所 いずみホール
◆プログラム◆
L.V.ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調Op.24「春」
L.ヤナーチェク/ヴァイオリン・ソナタ
C.A.ドビュッシー/ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
F.シューベルト/幻想曲ハ長調Op.159

ウィーン音楽祭の1つとして行われたコンサート。当初のプログラムベートーヴェンのソナタ6番がヤナーチェクのソナタに変更になりました。客席はほぼ満席。紗矢香さんは薄いピンクのドレスでした。1曲目は「スプリング・ソナタ」。カシオーリさんのピアノが控えめだからでしょうか。お2人の解釈がそうだからでしょうか、ゆったりしたテンポでとても控えめな演奏でした。2曲目のヤナーチェクも繊細なガラス細工のような聴きやすく感じる演奏でした。この曲はシャープに演奏することが多いと思っていたので意外に感じられました。休憩を挟んで3曲目はドビュッシーのソナタでした。この曲もシャープさが際立つ演奏が多いように感じるのですが、紗矢香さんの演奏はゆったりとした聴きやすい演奏に感じました。最後の曲シューベルトの幻想曲は歌曲〜私に挨拶をD741〜を主題とする変奏曲が登場する曲です。有名なピアノ曲「さすらい人幻想曲」を思い出します。お2人の息は最初から最後までぴったりでしたが、今日の演奏ではこの曲が一番のっていたように感じました。終演後は「ブラヴォー!」の声が飛び交っていました。

鳴りやまない拍手に応えてアンコールは
1.I.F.ストラヴィンスキー/ペトルーシュカより「ロシア人のダンス」2.A.シュニトケ/祝賀のロンド

でした。ペトルーシュカは技巧的な曲だったのに対し、シュニトケはとても綺麗な曲で現代曲さを感じさせない面がありました。舞台上で紗矢香さんがカシオーリさんに握手する場面があったりして微笑ましかったです。終演後サイン会がありました。例によってすごい行列でした。翌日が札幌でコンサートとあってか時間がない中でのサイン会でした。

2013年ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団 2013年2月2日(土)ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団
◆指揮 ヤニック・ネゼ=セガン
◆場所 兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール
◆プログラム◆
R.シューマン/歌劇「ゲノフェーファ」序曲Op.81
S.S.プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調Op.63
J.ブラームス/交響曲第4番ホ短調Op.98

客席は2階サイドには空席がありましたが客入りは良い方だったのではないでしょうか。オケは両翼配置でした。1曲目のシューマンの歌劇「ゲノフェーファ」序曲。初めて聴く曲でしたが、シューマンらしい曲でした。2曲目のプロコフィエフ協奏曲第2番でした。紗矢香さんは赤いドレスで髪はポニーテールにして登場しました。ちなみにヴァイオリンは5プルトまでありました。(協奏曲にしては大編成だと思います。)第1楽章出だしの独奏美音で余裕で演奏している感がありました。上手くヴァイオリンを歌わせていると思いました。この曲はアクロッバティックですが、私は紗矢香さんのようなスタイルでも良いと思います。第2楽章ではよりヴァイオリンをゆっくりと(かといって間延びするような演奏ではありません。)豊かに歌わせていました。相変わらずヴァイオリンの歌わせ方が上手いです。第3楽章ではカスタネットと共にスペイン的な旋律を滑らかに弾き切っていました。「ブラヴォー!」の声もありました。鳴り止まない拍手に応えてアンコールはJ.S.バッハのパルティータ第2番ニ短調 BWV1004より「サラバンド」でした。古楽器調の演奏でした。後半はブラームスの交響曲第4番でした。この時気付いたのは、ヴァイオリンのプルトが4に減っていたこと。そうかブラームスの編成って小編成なんだなぁ。私はこの曲はドイツ的な重厚な演奏しか聴いたことがなかったのですが、こんなブラームスもあるんだなぁと思いました。両翼配置だったので1stヴァイオリンと2ndヴァイオリンの掛合いになっている部分がよくわかって面白かったです。全体的にはきびきびした演奏でした。第4楽章のフルートソロが特に美しくて良かったです。終演後は「ブラヴォー!」の声が飛び交っていました。鳴り止まない拍手に応えてアンコールはJ.ブラームスのセレナード第1番ニ長調Op.11より「スケルツォ」でした。終演後セガンさんのサインはいただけたのですが、紗矢香さんはお急ぎだったようでサインはいただけませんでした。

2013年ウィーン交響楽団 2013年5月11日(土)第36回名古屋国際音楽祭 ウィーン交響楽団
◆指揮 大野和士
◆場所 愛知県芸術劇場コンサートホール
◆プログラム◆
W.A.モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」K.492序曲
J.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.77
J.ブラームス/交響曲第4番ホ短調Op.98

土曜日だったので雨の中名古屋まで出かけてきました。紗矢香さんの演奏を聴くのは今年の2月以来、大野さんの指揮ではかなり久しぶりです。1曲目のモーツァルトの「フィガロの結婚」は可もなく不可もなくといった感じの演奏でした。着目したことは今どきにしては珍しくオケが大編成だったこと。2曲目でいよいよ紗矢香さんの登場です。(登場する直前に携帯電話の音が鳴り響いたことと、演奏中に時々ガサガサ音をたてる人がいたのは残念でした。)紗矢香さんのブラームスの協奏曲を聴くのは3回目です。舞台衣装はピンクのかわいいドレスでした。席が3階だったこともあってか音が全体的に抜けて聞こえ気味で傷も多少はありましたが、演奏はなかなかの熱演でした。オケは大編成でしたがそれと対等に渡り合っていました。お客さんも息を呑んで聴いていました。カデンツァはヨアヒムでした。終演後は「ブラヴォー!」の声もありました。鳴り止まない拍手に応えてアンコールはJ.S.バッハのパルティータ第2番ニ短調 BWV1004より「サラバンド」でした。休憩を挟んで後半はブラームスの交響曲第4番でした。余談ですが交響曲でこれまで生演奏を聴いた回数はブラームスの交響曲第4番が一番多いのです。ウィーン風のブラームスで、木管が上手かったです。時々アンサンブルが乱れる場面はありましたが重厚な(それでいてウィーン風の)演奏でした。終演後は「ブラヴォー!」の声が飛び交っていました。鳴り止まない拍手に応えてアンコールは3曲もありました。

鳴りやまない拍手に応えてアンコールは
1.J.シュトラウス2世/春の声Op.410
2.J.シュトラウス2世/トリッチ・トラッチ・ポルカOp.214
3.J.シュトラウス2世/雷鳴と稲妻Op.324

でした。そういえば休憩中に舞台にハープとベードラがあって「ブラームスの交響曲には登場しない楽器なのになぁ」と思っていたら、アンコールで使っていたのでした。さすがに本場のオケだけあってノリノリの演奏でした。終演後大野さんにはサインをいただきましたが、紗矢香さんは帰られていたらしくサインはいただけませんでした。(残念!!)

2014年サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団 2014年1月25日(土)サンクトペテルブルク・フィルハーモニー
             交響楽団
◆指揮 ユーリー・テミルカーノフ
◆場所 ザ・シンフォニーホール
◆プログラム◆
P.I.チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35
P.I.チャイコフスキー/交響曲第4番ヘ短調Op.36

今日は久しぶりにコンサートに行ってきました。そもそもザ・シンフォニーホールに行くこと自体がかなり久しぶりです。今回は席は2階の正面でした。オケはひな壇はなしで、大編成、大好きな両翼配置です。紗矢香さんはブルーの素敵なドレスで登場しました。彼女のチャイコンを聴くのはこれで3度目なのですが、素晴らしい「熱演」でした。ホールの影響もあるのでしょうけれど、すごくヴァイオリンが鳴っていました。まっすぐな演奏には違いないのですが、以前に比べて粗が少なくなっていると感じました。第1楽章終了後にも拍手が起きました。全楽章終了後には「ブラヴォー!」の声もあり、観客の反応はかなり良かったように感じました鳴り止まない拍手に応えてアンコールにF.クライスラーのレチタティーヴォとスケルツォ・カプリースOp.6でした。後半の交響曲4番はテンポはゆっくり、オケの音色が素晴らしかったです。出だしの金管の素晴らしいこと。第3楽章の弦のピッツィカートの部分は両翼配置なので見ていて面白かったですよ。こちらも終演後は「ブラヴォー!」の嵐状態になりました。

鳴り止まない拍手に応えてアンコールは
E.エルガー/愛の挨拶

でした。今回も残念ながら終演後のサイン会はありませんでした。以前チャイコンのCDにいただいたサインの画像をアップします。(この演奏よりも今日の演奏の方がはるかに熱演だし、ヴァイオリンの音もよく鳴っていたと思います。やはりザ・シンフォニーホールは素晴らしいホールだと思います。もっと色々なアーティストに来ていただきたいです。)

2014年デュオ・リサイタル 2014年4月8日(火)デュオ・リサイタル
◆ピアノ メナヘム・プレスラー
◆場所 いずみホール
◆プログラム◆
W.A.モーツァルト/ヴァイオリン・ソナタ変ロ長調K.454
F.シューベルト/ヴァイオリンとピアノのための二重奏曲イ長調
           Op.162,D.574
F.シューベルト/ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第1番ニ長調
           D.384
J.ブラームス/ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調Op.78

当初予定されていたシューマンのソナタ第1番がシューベルトのソナタ(ソナティネ)第1番に変更となりました。御年90歳になられるフランスのピアニストプレスラーさんはボザール・トリオの創設メンバーだそうです。皆さんそう思われたと思いますが、お爺さんと孫娘のような組み合わせだなぁと思いました。紗矢香さんはブルーの素敵なドレスで登場しました。ヴァイオリンは終始弱音を主体にした演奏でしたが、前から5列目に座っていたこともあって音はとてもクリアーに聞こえました。1曲目のモーツァルトのソナタは若干お2人の息が咬み合わない面もありましたが、2曲目のシューベルトの二重奏曲になると一変して素晴らしく息の合った演奏となりました。シューベルトの曲は派手さがない内面を強調した曲だと思うのですが、若かりしシューベルトの内面をよく表した演奏だと思いました。休憩を挟んで、シューベルトのソナタ第1番。この曲、プログラムには「ソナタ」と書かれていますが、通称は「ソナティネ」と呼ばれています。紗矢香さんはシューベルトがお好きなんだなぁと思いながら聴いていました。最後の曲ブラームスのソナタ第1番はちょっとうるっとくるような心に沁み入る弱音を利かせた演奏でした。こんなブラームスは初めて聴きました。第3楽章が終わった瞬間、「ブラーヴォ!」の声があり、静かに拍手が起きました。紗矢香さんの演奏はコンクールで優勝した頃から聴いているのですが、「演奏変わったなぁ」と思いました。ピアノのプレスラーさんの演奏も年齢を感じさせない演奏でした。

鳴りやまない拍手に応えてアンコールは
1.C.A.ドビュッシー/亜麻色の髪の乙女(デュオ)
2.F.ショパン/夜想曲第20番嬰ハ短調(ピアノソロ)
3.J.ブラームス/ワルツ集Op.39より第15番(デュオ)
4.F.ショパン/マズルカ第13番イ短調Op.17-4(ピアノソロ)

2曲目の夜想曲20番は大好きな曲なのですが、演奏が繊細でうるっときました。演奏後は「ブラヴォー!」の嵐状態になりました。残念ながら、今回も終演後にサイン会はありませんでした。

サイン