庄司紗矢香
Sayaka Syoji
      
2008年ストラディヴァリウス・コンサート 2008年9月6日(土)日本音楽財団 創立35周年記念
            ストラディヴァリウス・コンサート
◆場所 いずみホール
◆プログラム◆
A.ヴィヴァルディ/4つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲
            ロ短調Op.3-10,RV580
【ソリスト】
竹澤恭子(1stVn) 庄司紗矢香(2ndVn) エリック・シューマン(3rdVn)
セルゲイ・ハチャトゥリアン(4thVn) 石坂団十郎(Vc)
【オーケストラ】
アラベラ・シュタインバッハ(1stVn) バイバ・スクリデ(2ndVn)
ヴィヴィアン・ハグナー(3rdVn) 有希マヌエラ・ヤンケ(4thVn)
マーティン・ビーヴァー(1stVa)
スティーヴン・イッサーリス(Vc,2ndVa) クライヴ・グリーンスミス(Vc)
小林道夫(Cemb)

C.P.E.バッハ/チェロ協奏曲イ長調Wq172より第2楽章
【ソリスト】
石坂団十郎(Vc)
【オーケストラ】
庄司紗矢香(1stVn) 竹澤恭子(2ndVn) マーティン・ビーヴァー(Va)
クライヴ・グリーンスミス(Vc) 小林道夫(Cemb)

J.ヴィートリス/ロマンス(ラトヴィアの楽曲)
バイバ・スクリデ(Vn) 江口玲(Pf)

E.バグダサリャン/ラプソディー(アルメニアの楽曲)
セルゲイ・ハチャトゥリアン(Vn) 江口玲(Pf)

C.A.ドビュッシー/弦楽四重奏曲 ト短調Op.10より第3楽章
東京クヮルテット
マーティン・ビーヴァー(1stVn) 池田菊衛(2ndVn) 磯村和英(Va)
クライヴ・グリーンスミス(Vc)

H.レオナード/3つのヴァイオリンとピアノのための
          スペイン・セレナーデ
バイバ・スクリデ(1stVn) ヴィヴィアン・ハグナー(2ndVn)
有希マヌエラ・ヤンケ(3rdVn) 江口玲(Pf)

J.S.バッハ/2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV1043
【ソリスト】
ヴィヴィアン・ハグナー(1stVn) アラベラ・シュタインバッハ(2ndVn)
【オーケストラ】
エリック・シューマン(1stVn) 竹澤恭子(2ndVn)
マーティン・ビーヴァー(Va) スティーヴン・イッサーリス(Vc)
小林道夫(Cemb)

E.ブロッホ/ユダヤ人の生活から
スティーヴン・イッサーリス(Vc) 江口玲(ピアノ)

F.メンデルスゾーン/弦楽八重奏曲変ホ長調Op.20
ヴィヴィアン・ハグナー(1stVn) 庄司紗矢香(2ndVn)
アラベラ・シュタインバッハ(3rdVn) 有希マヌエラ・ヤンケ(4thVn)
磯村和英(1stVa) 池田菊衛(2ndVa) スティーヴン・イッサーリス(1stVc) クライヴ・グリーンスミス(2ndVc)

日本音楽財団35周年の記念コンサートでした。出演者の豪華な顔ぶれから考えるとチケット代10,000円は高くないと思います。もちろん完売でした。1曲目の4つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲は生で聴く機会もそうないので楽しみにしていたのですが、1stの竹澤さんの弾き方がダイナミックなのに対し、2ndの紗矢香さんの弾き方はかなり控えめで違和感を覚えました。紗矢香さんソロの部分はもっと目立つように弾いても良いのでは?と思いました。2曲目はC.P.E.バッハの曲ですが曲を知らなかったこととオケパートがあまり面白くなかったこともあってそう印象には残りませんでした。3曲目のラトヴィアの作曲家ヴィートリスの曲「ロマンス」はとても綺麗な曲でヴァイオリンの音色の持ち味が生かされていて良かったと思います。4曲目はアルメニアの作曲家バグダサリャンの曲「ラプソディー」。後半に技巧を凝らした部分が盛りだくさんの曲でした。演奏したセルゲイ・ハチャトゥリアンさんには合っているように感じました。5曲目のドビュッシーの弦楽四重奏曲の3楽章は意外に思ったのですがとても綺麗な曲で演奏にも味があってなかなか良かったと思います。前半最後の曲レオナードの3つのヴァイオリンとピアノのためのスペイン・セレナーデは技巧的なところと歌うところを併せ持った曲で、スクリデさんハグナーさんヤンケさん3人の息はぴったりでボウイング、フィンガリングに釘付けになりました。後半の1曲目はお馴染みのJ.S.バッハの2つのヴァイオリンのための協奏曲でした。ハグナーさん、シュタインバッハさんの調和の取れた演奏は本当に素晴らしかったです。2曲目はブロッホのユダヤ人の生活から。チェロのイッサーリスさんの演奏とても情熱的で良かったです。本当に素敵な演奏で惹き付けられました。最後はメンデルスゾーンの弦楽八重奏曲。配置が面白くて向って左から1stVn、2ndVn、1stVa、1stVc、2ndVc、2ndVa、4thVn、3rdVnの順になっていたように思います。カルテットはあまり知らないのですが、八重奏ともなるとこういう配置にするものなのですね。この曲もハグナーさんシュタインバッハさんヤンケさんのヴァイオリンの音量があるのに対し紗矢香さんのヴァイオリンは控えめすぎるように感じました。曲としては面白いと思いましたし、バランスは取れているとは思いましたが。演奏終了後拍手が鳴り止まず出演者は何度も登場しておられました。このコンサート東京公演はクラシカジャパンで放送されるそうですよ。

2008年サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団 2008年11月8日(土)サンクトペテルブルク・フィルハーモニー
             交響楽団
◆指揮 ユーリー・テミルカーノフ
◆場所 横須賀芸術劇場
◆プログラム◆
P.I.チャイコフスキー/歌劇「エフゲーニ・オネーギン」Op.24から
              ポロネーズ
P.I.チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35
P.I.チャイコフスキー/交響曲第6番ロ短調Op.74「悲愴」

この日は休日だったこともあって横須賀まで出かけて来ました。生憎の雨模様でした。今回はオールチャイコフスキープログラムでした。会場の非常灯を全て消すこだわりようでした。ちなみにオケは両翼配置でひな壇はなしでした。1曲目の「エフゲーニ・オネーギン」はまず出だしの金管の透明感のある音に感心させられました。相変わらず綺麗なアンサンブルだと思いました。2曲目は紗矢香さんの独奏でチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲です。7年前にもサンクトペテルブルクフィルとの協演で同じ曲で聴きました。その時は非常に素直な演奏で感銘を受けました。今回はどういう演奏をするのかとても楽しみでした。全体的にゆっくりのテンポで時折音を溜めてヴァイオリンを思い切り歌わせていました。第1楽章は音程に不安定なところが少しありましたが、徐々に調子が安定してきた感じでした。音程が不安定だったからでしょうか?第2楽章に入る前に念入りにチューニングしておられました。第2楽章は紗矢香さんらしいたっぷり歌わせるスタイルでした。弱音の歌わせ方が上手いですよ。(^O^)(音の響きがあまりにも心地良かったので睡魔が襲ってきました。)第3楽章は少しヒートアップした感じでした。オケの音色もハマっていて良かったです。(金管に少しミスがあったことだけが残念!!)アンコールは紗矢香さんご本人の編曲でロシア映画「運命の皮肉」から「私の最愛の女(ひと)はいずこへ」という曲でした。(そういえばベートーヴェンの協奏曲のカデンツァもご自身で作曲しておられましたし、最近色々と挑戦しておられますね。)後半は「悲愴」でした。私が座っていた席が1階席だったからかもしれませんが、全体的に金管の音が遠くから聞えてくるような感じに思えました。でも全体的にアンサンブルが綺麗ですし、私好みの「悲愴」でした。(この曲、両翼配置で演奏すると面白いところがたくさんあるのがわかりました。)第1楽章の静かな部分で携帯電話の着歌が。。。(-"-)気を取り直してその後は素晴らしい演奏が続き、第4楽章のチェロとコントラバスの音が静かに消えました。しばらく沈黙が続き、テミルカーノフさんが手を降ろした後大きな拍手が起こりました。アンコールはE.W.エルガーのエニグマ変奏曲から第9変奏「ニムロッド」でした。本当に良い演奏会で遠出してきた甲斐がありました。

2009年リサイタル 2009年1月16日(金)ヴァイオリンリサイタル
◆ピアノ イタマール・ゴラン
◆場所 いずみホール
◆プログラム◆
F.シューベルト/ヴァイオリン・ソナチネ第3番ト短調D408,Op.137-3
E.ブロッホ/ヴァイオリン・ソナタ第1番
O.メシアン/主題と変奏
J.ブラームス/ヴァイオリン・ソナタ第2番Op.100

約2年ぶりのリサイタルでした。曲は玄人好みの曲で固められており、紗矢香さんの曲に対する思いが伝わってくるようでした。1曲目のシューベルトのソナチネは1番、2番は知っているのですが、不覚にも3番は知りませんでした。(^_^;)モーツァルト的聴き易い曲です。紗矢香さんの演奏はとても情感豊かで良かったです。2曲目のブロッホのヴァイオリン・ソナタ第1番は曲を聴いたことがないばかりかブロッホがヴァイオリン・ソナタを書いていたことすら知りませんでした。(プログラムによると今年が没後50年にあたるのだそうです。それでこの曲を取り上げられたのでしょうか?)曲は激しさと静寂が同居していて、もちろん不協和音なのですが、なぜか惹きつけられるものがありました。特に第2楽章が素敵でした。ヴァイオリンは思い切り透明感のある艶やかな音色で歌っていました。曲は最後静かに終わるのですが、紗矢香さんが弓を降ろすまで私も含めて聴衆は誰1人咳もしなかったのには感心しました。マナーが良かったのも事実ですが、それだけ人を惹きつけるだけの演奏だったということに尽きると思います。後半のメシアンは過去に何度か聴いたことがありましたが、メシアンにしてはとても綺麗な曲です。ヴァイオリンははこの曲でも艶やかな音色で歌っていました。さらにブロッホの時同様聴衆は息を呑んで聴いていて、曲が終わっても紗矢香さんが弓を降ろすまで静かに余韻を楽しんでいました。最後のブラームスのソナタ2番ですが、これまで何度も聴く機会はありましたが、これほどこの曲に惹きつけられたのも珍しいという程に良かったです。もちろん歌心たっぷりのブラームスでしたし、間の取り方も私の好みでしたし、何より聴衆を包み込むような音色が良かったです。ピアノのゴランさんとのバランスも全体的に良かったです。ゴランさんのピアノは好みが別れると思いますが、紗矢香さんのリサイタルを聴いた限りではゴランさんとのコンビが長いこともあって息は合っていると思います。

アンコールは4曲もありました。
1.F.シューベルト/ヴァイオリン・ソナチネ第1番ニ長調
            D.384,Op.137-1より「アンダンテ」
2.F.クライスラー/ウィーン奇想曲Op.2
3.F.クライスラー/ウィーン小行進曲
4.E.W.エルガ−/愛の挨拶Op.12

シューベルトはやはりモーツァルト的な曲ですね。(今度トライしてみたいと思います。)クライスラーを聴いて上手い!!と思いました。(リズム感が絶妙に上手いです。)最後の「愛の挨拶」は聴いている人を暖かく包み込むような演奏で本当に良かったです。終演後サインをいただこうと楽屋口に並んでいましたら、「寒いから中に入って待ってください。」と言われました。いずみホールは昔からそうですが、対応が良いホールだと思います。イシハラホールのコンサートの時の写真にサインをいただきました。

2009年大阪フィル第428回定演 2009年5月27日(水)大阪フィルハーモニー交響楽団
              第428回定期演奏会
◆指揮 ヨナス・アルバー
◆場所 ザ・シンフォニーホール
◆プログラム
コダーイ・ゾロターン/ガランタ舞曲
G.リゲティ/ヴァイオリン協奏曲(1992)
S.V.ラフマニノフ/交響曲第3番イ短調Op.44

紗矢香さんが大フィル定期に出演するので出かけて行きました。今回のプログラムはマニアックな曲で固められていたように思います。指揮はヨナス・アルバーさん。(プログラムによればドイツの方ですね。)1曲目のガランタ舞曲はブダペスト・フィルハーモニック協会の創立80周年記念のため作品を依頼された曲で、1933年の夏に作曲されました。コダーイが幼年期を過ごしたガランタのロマ舞曲が題材になっているそうです。1曲目から結構力演でした。2曲目は紗矢香さんがソロのリゲティのヴァイオリン協奏曲でした。紗矢香さん用に譜面台が2本立ててありました。ドレスはワインカラーでした。(楽譜が膨大だったのでしょうか?)オケの編成は小編成で、ヴァイオリン5、ビオラ3、チェロ2、コントラバス1、フルート2(途中ピッコロ、リコーダー持ち替え)、オーボエ1(途中オカリナ持ち替え)、クラリネット2(途中オカリナ持ち替え)、ファゴット1(途中オカリナ持ち替え)、ホルン2、トランペット1、トロンボーン1、ティンパニ、バスドラム、サスペンデッド・シンバル2、アンティークシンバル、チューブラーベル、マリンバ、ヴィヴラフォン、シロフォン、スネアドラムと楽器の種類は多彩でした。1楽章の出だしはソロヴァイオリンのアルペジオ?で始まり、不協和音かと思いきや2楽章は美しい旋律で始まる不思議な音楽でした。2楽章のヴァイオリンの歌わせ方が素晴らしかったです。(^^♪そういえばこの曲オーボエ、クラリネット、ファゴットの奏者が途中オカリナに持ち替えてヴァイオリンと掛け合いをし、不思議な和音を奏でる場面があるのです。とにかく変わった曲でした。お客さんも曲がいつ終わったのかすぐにわからなかったのか拍手はすぐには起こりませんでした。「ブラヴォー!」の声もありました。鳴り止まない拍手に応えてのアンコールはJ.S.バッハの無伴奏パルティータ第2番ニ短調BWV1004から「サラバンド」でした。後半はラフマニノフの交響曲第3番でした。交響曲第2番は有名で生演奏も聴いたことがありましたが第3番は聴くこと自体が全く初めてでした。3楽章編成で全体的にリズミックな曲でした。オケは大編成ではありませんが登場する楽器の数は多いです。かなりの力演でした。新型インフルエンザの影響でサイン会はありませんでした。帰りにアルバーさん、紗矢香さんに遭遇しました。思い切りドイツ語で会話しておられました。

2009年シンシナティ交響楽団 2009年11月1日(日)シンシナティ交響楽団
◆指揮 パーヴォ・ヤルヴィ
◆場所 サントリーホール
◆プログラム◆
L.バーンスタイン/「キャンディード」序曲
J.シベリウス/ヴァイオリン協奏曲ニ短調Op.47
A.ドヴォルザーク/交響曲第9番ホ短調Op.95「新世界より」

日曜日のコンサートということで久しぶりに日帰りでサントリーホールまで出かけて行きました。満席でした。今回は2階席に座ったのですが、以前に比べてホールの響きが良くなった印象を受けました。1曲目は「キャンディード」序曲でした。雰囲気がオケにぴったりとはまっていました。2曲目は紗矢香さんの演奏でシベリウスのヴァイオリン協奏曲でした。この日は深いブルー(グリーン?)の素敵なドレスでした。髪型もウェブを当てておられて大人っぽい雰囲気でした。この曲は以前デイヴィス指揮のロンドン交響楽団で聴いたことがあります。ヴァイオリンが「ヨアヒム」から「レカミエ」に変わったことで音色も変わったのはもちろんですが、あれから年数が経っている分演奏に深みが増しているように思えました。第1楽章の曲の入り、オケは思い切りppでスタート。聴衆が物音ひとつ立てないで息を呑んで聴いている雰囲気がホール全体に漂っていました。 ただ、曲の立ち上がりが少し不安定さったことと、カデンツァの部分で音程に不安定な部分がありました。でもすぐに体制を立て直すところはさすがです。第2楽章は紗矢香さんらしい演奏でヴァイオリンを朗々と歌わせていました。心地よい演奏でした。全体では第3楽章が一番良かったです。音程が不安定な部分はあったのですが、全体を通してみれば素晴らしい演奏でした。オケは強弱がはっきりした演奏で途中崩れることもなく良かったです。北欧独特の寒さが上手く表現されていました。紗矢香さんは「レカミエ」に変えてからまだそう時間が経っていないのでしょうから弾きこなしていけばもっと素敵な演奏になることでしょうね。終演後鳴りやまない拍手に応えて、アンコールはJ.S.バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調BWV1001から「シシリエンヌ」でした。ヴィヴラートをかけない古楽器風の演奏でした。後半は「新世界」でした。この曲有名ですが、私の記憶ではそんなに生演奏では聴いていません。 実は自分がオケで弾くまで第1楽章に繰り返しがあることも知らなかったのです。なぜなら、繰り返し有りの演奏を一度も聴いたことがなかったからです。(お気に入りのクーべリックの演奏も繰り返しはありません。)ヤルヴィさんのCDは繰り返し有りの演奏だったので期待していました。第1楽章が始まり、ちょうど1番カッコの部分まで来たとき、嬉しくなりました。期待を裏切らなかったからです。繰り返しがあったのです。テンポは全体的に速めでしたが、間を思い切り取ってみたりするところもありました。第2楽章は一転してテンポは遅めで、どこか懐かしさを感じるメロディを心地良く奏でていました。第3楽章、第4楽章は再びテンポは速めで演奏の音が消えてヤルヴィさんが指揮棒をおろすまで拍手は起こりませんでした。「ブラヴォー!」の嵐状態で立ち上がって拍手するお客さんもおられました。鳴りやまない拍手に応えて、アンコールはまず、J.ブラームスのハンガリー舞曲第5番嬰ヘ短調が演奏され、再び「ブラヴォー!」の嵐状態になり、さらにJ.ブラームスのハンガリー舞曲第6番変ニ長調これで終わりかと思いきや、最後にJ.シベリウスの悲しきワルツ Op.44-1が演奏されました。 「悲しきワルツ」が終わった瞬間、ホール中が静まりかえり、しばらくしてから「ブラヴォー!」の嵐状態になりました。とにかく東京まで行って良かったです。終演後お2人のサイン会があり、私も長蛇の列に並んでサインしていただきました。

2010年デュオリサイタル 2010年11月5日(金)デュオ・リサイタル
◆ピアノ ジャンルカ・カシオーリ
◆場所 いずみホール
◆プログラム◆
L.V.ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調Op.12-2
L.V.ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ第8番ト長調Op.30-3
L.v.ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調Op.47
             「クロイツェル」

昨年に引き続きリサイタルでした。 10月の終わりの五嶋みどりさんのときもオールベートーヴェンプログラムでしたが、今日もオールベートーヴェンプログラム。ピアノはジャンルカ・カシオーリさん。紗矢香さんがずっと共演したいと思っていらっしゃったピアニストだそうです。直前に発売されたCDを聴いた印象では、彼女は自分が求める演奏を模索している最中のように感じました。ヴァイオリンを「ヨアヒム」から「レカミエ」に変えられてから少し時間が経ちましたがよく鳴るようになってきたと感じました。紗矢香さんは楽譜ありで途中器用に譜めくりしながら演奏していらっしゃいました。エンジ色のドレスがよく似合います。1曲目のソナタ2番はベートーヴェンの初期の作品でピアノがメインのモーツァルト的な要素が残っている作品です。とても綺麗な曲で終楽章はいつ曲が終わったのかがわかりませんでした。(CDを聴いたときも曲の印象が残っていなかったのです。)2曲目のソナタ8番は結構好きな曲です。テンポはゆっくり目、強弱がはっきりした演奏で細部まで弾き分けられていました。ピアノとの息もぴったりで良かったです。休憩をはさんで後半は「クロイツェル」でした。この曲はずいぶん前にゴランさんとのコンビで聴いたことがありましたが、その時に比べ表情の付け方がずいぶん変わったように感じました。出だしの重音の出し方はCD同様古楽器風でしたが、テンポはCDよりもゆっくり目で歌わせるところは思い切りのびのびと歌わせていました。紗矢香さんらしい演奏だと思いました。カシオーリさんのピアノもピアノがでしゃばり過ぎることもなく、アクセントの付け方も私好みで音量もちょうど良いように感じました。終演後の拍手が早かったのが残念です。もう少し余韻があっても良いのに。。。と思います。

鳴りやまない拍手に応えてアンコールは L.V.ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調Op.24「春」から第2楽章でした。ゆったりと歌わせた演奏で心地良かったです。(^o^)私好みです。全部聴いてみたかったです。 曲が終わった瞬間に「ブラーヴォ!」と叫んだ人がいました。終演後サイン会がありました。例によってすごい行列でした。