庄司紗矢香
Sayaka Syoji
      
2005年リサイタル 2005年11月25日(金)ヴァイオリンリサイタル
◆ピアノ イタマール・ゴラン
◆場所 イシハラホール
◆プログラム◆
R.シューマン/ヴァイオリン・ソナタ第1番イ短調Op.105
D.D.ショスタコーヴィチ/ヴァイオリン・ソナタト短調Op.134
R.シュトラウス/ヴァイオリン・ソナタ変ホ長調Op.18

紗矢香さんのリサイタルは3年ぶりですがこの3年の間に非常に成長したように感じました。プログラムも玄人好みのプログラムでしたが全体を通じて全く退屈することなく聴くことが出来ました。チケットはもちろん完売していました。2005年のコンサートで完売に遭遇するのはこれで5度目です。紗矢香さんはパステルカラーのピンクのドレスに白い靴で登場しました。1曲目のシューマンのソナタは綺麗なメロディがあったかと思えば急に激しい調子になったりする曲で確か作曲者が精神異常だったときに書いた曲だと聞いています。紗矢香さんの演奏は相変わらず歌うところはヴィヴラートをたっぷりかけて歌わせて、激しい部分は張りのある音で演奏していました。2曲目のショスタコーヴィチのソナタは初めて聴く曲でした。確か演奏される機会もそうなかった気がします。この曲では照明を真中のスポットライトのみにして演奏していました。この曲には効果的な雰囲気を醸し出していました。ショスタコ独特の張り詰めた雰囲気、彼女の演奏は非常に力強くピアノのゴランさんの強いタッチのピアノと互角に演奏していたと思います。(時には足を踏み鳴らすほどのエキサイトぶりでした。)3曲目のR.シュトラウスのソナタは1曲目のシューマン同様歌うところはヴィヴラートをたっぷりかけて、力強い部分は張りのある音で演奏していました。とても聴き易くかといって平凡ではない素晴らしい演奏でした。この日の演奏をCDにしていただきたいと思ったほどです。会場からは「ブラヴォー!」の声もあり、鳴り止まない拍手に応えて

アンコールは
1.B.バルトーク/ルーマニア民俗舞曲Sz.56
2.A.ドヴォルザーク/スラヴ舞曲ホ短調OP.72-2
3.R.シューマン/ロマンス第2番嬰ヘ長調op.28-2

1曲目のルーマニア民族舞曲は曲的にはメインに持ってくる曲だと思うのにアンコールで演奏するなんてすごいですよ!終演後サインをいただき一緒に写真も撮ることができました。あんなにハードな曲ばかりだったのにもかかわらず疲れた顔も見せないで快く応じておられました。

2005年北ドイツ放送交響楽団特別公演 2005年12月9日(金)北ドイツ放送交響楽団特別公演
◆指揮 アラン・ギルバート
◆場所 NHK大阪ホール
◆プログラム◆
J.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.77
R.シュトラウス/交響詩「ドン・ファン」
R.シュトラウス/歌劇「ばらの騎士」組曲

紗矢香さんのブラームスの協奏曲を聴くのは約3年半ぶりです。お客さんはほぼ満席。今日は濃紺のドレスで登場しました。出だしからゆっくりした調子で思い切り歌わせて演奏していました。この日は本当に寒かったのですが、そのためなのか乾燥していたからなのかヴァイオリンの鳴りもすごく良くて私は2階席の後ろの方でしたが音量も申し分なかったし、オーケストラとのバランスも良かったと思います。彼女の楽器はあの「ヨアヒム」が弾いていたそうですからよけいに音楽がハマって聞えたのかもしれません。とにかく申し分ない演奏でした。最近のブラームスの協奏曲はクールで張り詰めた感じの演奏が多いなと感じていたのですが、彼女の演奏は人を包み込むような暖かい演奏でした。本当に艶やかな音で綺麗に歌っていましたよ。カデンツァの弾き方も私好みでしたし、全楽章通じて本当に素晴らしかったです。オーケストラは管楽器(特にホルン)が時折立上りが悪いのは残念でしたがトータル的には良かったです。演奏後は「ブラヴォー!」の声もありました。鳴り止まない拍手に応えてアンコールはM.レーガーのソナタを演奏して下さいました。(詳細はメモっていないのでわかりません。m(_ _)m)後半のR.シュトラウス2曲のうち「ばらの騎士」組曲ではわざわざスコアを用意していましたが、「ドン・ファン」よりはこちらの方が演奏内容は良かったと思います。オーケストラのメンバーも最後の曲が一番のっていましたし。アンコールはJ.ブラームスのハンガリー舞曲第6番でした。帰りにクロークでコートを受取ろうと行ったらものすごい行列で、もう少し対応を考えて欲しいなと思いました。(^_^;)

2006年バンベルク交響楽団 2006年5月28日(日)バンベルク交響楽団
◆指揮 ジョナサン・ノット
◆場所 京都コンサートホール大ホール
◆プログラム◆
S.S.プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調Op.63
G.マーラー/交響曲第5番嬰ハ短調

この日の客入りは8割くらいでした。プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第2番は私の好きな曲の1つです。席は3階でしたが舞台に近かったので音量はバランス良かったと思います。彼女の舞台衣装は薄いグリーンのドレスで後ろにかわいい花が付いていました。予想通り紗矢香さんは第1楽章の出だしからヴィヴラートをたっぷりかけていました。それも全く嫌味がないので聴いていて心地よかったです。特に第2楽章が甘美な紗矢香さんの世界を描いていて素敵でした。第3楽章もオケとのタイミングもピッタリで良かったです。プロコフィェフといえばあの曲風で嫌がる人もいると思いますが、本当に聞き易かったですよ。(^○^)演奏後の聴衆の中には「ブラヴォー!」と叫ぶ人もいました。アンコールはS.S.プロコフィエフのソロソナタより第2楽章(無伴奏ヴァイオリンソナタニ長調Op.115?)でした。後半のマーラーはさすがにドイツのオーケストラです。金管の音質が違います。本当に上手いと思います。第1楽章の葬送行進曲は結構おどろおどろしく演奏していました。この手の解釈は好きです。管楽器は本当に言うことなしだと思いましたが、弦は第4楽章などはもっと歌って欲しかったですね。そこが少し残念。以前から思っていましたが、京都コンサートホールのサイド席に座ると音がずれて聞こえることがあります。次回はぜひシンフォニーホールで聴いてみたいです。きっとこのオケの分厚い音、素晴らしい金管の音色が堪能できると思います。終演後は大喝采状態でした。アンコールはA.ドヴォルザークのスラブ舞曲第5番(スラブ舞曲イ長調Op.46-5?)でした。紗矢香さんは帰られたようでサイン会はありませんでした。京都コンサートホールはそのあたりのアナウンスをしないことが多いのでそこは改善して欲しいですね。

2006年東京都交響楽団 2006年7月17日(月・祝)東京都交響楽団
◆指揮 大和和士
◆場所 サントリーホール
◆プログラム◆
W.A.モーツァルト/交響曲第31番ニ長調「パリ」K.297(300a)
D.D.ショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調Op.77
I.ストラヴィンスキー/バレエ「火の鳥」(オリジナル全曲版)

久しぶりに東京まで行ってきました。天気は大雨。最悪のコンディションです。ほぼ満席のサントリーホール。大和和士さんは3年前紗矢香さんと共演するはずが頸部捻挫のため来日出来なくなった方です。1曲目はモーツァルトイヤーということでだと思いますが、交響曲第31番でした。2曲目で紗矢香さんが登場しました。以前N響との演奏をテレビで観て、その気迫に満ちた雰囲気に圧倒されました。その時の印象からかなり期待していました。この日は大雨で最悪のコンディションだったせいもあったでしょうし、3日間連続の演奏会の初日ということもあったからでしょう。ヴァイオリンが鳴りきっていない感じでした。もちろん歌うところは紗矢香さんらしく歌っていましたし、ショスタコーヴィチ独特のおどろおどろしい雰囲気も出ていたと思います。気迫迫るものもあったと思いますが、音量が足りないように感じました。オーケストラの編成が大きすぎる気もしました。以前2階席で聴いた時はバランスよく感じましたが、この日は1階席だったからでしょうか?演奏直後には「ブラヴォー!」の声があちらこちらから飛び交っていました。後半の「火の鳥」は組曲では何度も聴いていますが、オリジナル版で聴くのは初めてでした。途中バンダなんかもあってなかなか面白い曲でした。物語のシーンを思い浮かべながら聴くと楽しめます。今回のコンサートは盛りだくさんで終演時間は17:30くらいだったと思います。終演後紗矢香さんにサインをいただいて最終の飛行機に乗り遅れるといけないので急いで羽田に向いました。この日は連休最後の日だったためか非常に混んでいて、飛行機の到着も遅れました。ハードな日帰りコンサート鑑賞でした。(^_^;)

2007年デュオ・コンサート 2007年3月24日(土)デュオ・コンサート
◆ピアノ 小菅 優
◆場所 兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール
◆プログラム◆
L.V.ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調Op.24「春」
L.V.ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調Op.57「熱情」
             (*ピアノソロ)
J.S.バッハ/無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調
        BWV.1004より「シャコンヌ」
R.シュトラウス/ヴァイオリン・ソナタ変ホ長調Op.18

紗矢香さんと小菅優さんのデュオ・コンサートということでどんな演奏になるのか楽しみでした。紗矢香さんは若草色、小菅さんはオレンジの春らしいドレスで登場しました。(おまけにデザインもおそろいでした。)私はこの日1階席の左側に座っていました。ホールがかなり広いうえピアノの蓋も全開していたのでヴァイオリンがピアノに負けてしまうのではないかと思いましたが、大ホールとは思えないほどバランスは良かったと思います。小菅さんがバランスを考えて上手く演奏しておられる感じでした。1曲目の「スプリング」ですが、1楽章はもう少し溜めて弾いて欲しいなと思う部分がありました。2.3.4楽章と進むうちに良い感じになっていった気がしました。次の「熱情」はもう少しダイナミックさがあればと思いましたが、ピアノのタッチは柔らかく、表情も豊かで、テクニックもかなりのものだと思いました。(ピアノはスタインウェイでしたが、個人的にはベートーヴェンを演奏する場合は中低音に深みがあるベーゼンドルファーが好きです。)曲が終わった瞬間には「ブラヴォー!」の声もありました。後半の「シャコンヌ」はヴィヴラートをあまりかけずに弾いていて、演奏スタイルが古楽器風に感じました。最後のR.シュトラウスでこの日一番の本領を発揮していたように感じました。1楽章が終わった直後拍手が起こってしまったのは曲を知らない方がおられたからでしょうか?ヴィヴラートをたっぷりかけて、力強い部分は張りのある音で演奏していました。特に2楽章の歌い方は絶妙でしたよ。ピアノとのバランスも非常に良かったと思います。前にも書きましたが、R.シュトラウスはぜひCDにしていただきたいです。会場からは「ブラヴォー!」の声もあり、鳴り止まない拍手に応えて

アンコールは
1.A.ドヴォルザーク/スラヴ舞曲ホ短調OP.72-2
2.B.バルトーク/ルーマニア民族舞曲Sz.56

2曲目のルーマニア民族舞曲がよかったと思います。小柄なのにパワーのある紗矢香さんの演奏には感服しました!終演後CDを購入した人を対象にサイン会がありました。ホールの外まであふれるほど人が並んでいました。私も購入してお2人のサインをいただきました。

2008年ラ・フォル・ジュルネ金沢 2008年5月4日(日)ラ・フォル・ジュルネ金沢「熱狂の日」音楽祭2008
◆指揮 井上道義
◆管弦楽 オーケストラアンサンブル金沢
◆場所 金沢県立音楽堂コンサートホール
◆プログラム◆
L.V.ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61

ラ・フォル・ジュルネを金沢で紗矢香さんがベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を演奏するというので泊まりで出かけてきました。18時過ぎの電車で金沢に到着。ホテルのチェックインの後、夕食を済ませ開演30分前にホールへと向いました。指定席はすでに完売していたので自由席を取っていたのですが、すでに並ぶ列が外に達する程長くなっていて、しかもチケットのキャンセル待ちのお客さんまでいました。この日のコンサート指定券でも2000円でしたからこんなに低料金で一流のソリストの演奏を聴くことができるなんてまたとない機会でしょうから無理もないとは思いました。中に入ってさらにびっくり。舞台の上にまで席があり、お客さんがオケに迫るぎりぎりのところまで座っていました。(最初、合唱曲なんてプログラムにあったっけ。と思ったらお客さんだったのですね。(^_^;))満席の観客から割れんばかりの拍手が起こり、紗矢香さんが登場しました。オーケストラはかなりの小編成でしたが、最初の一音から中低音が利いた演奏で良かったです。紗矢香さんのヴァイオリンは全体的に明るめの美音で低音は太くどっしりとしていました。第1楽章の音の入りから惹きつけられました。特にカデンツァ(ご自信が作られたのだそうです)が重音を駆使したレーガー風のメロディで素晴らしかったですよ。少し音の切り方を丁寧にして欲しい箇所もありましたが素晴らしい演奏でした。第2楽章はヴァイオリンがよく歌っていました。高音が宝石のように輝かしい音で良かったです。第3楽章はまた太い低音で聴かせてくれました。第3楽章のカデンツァも自作でのレーガー風のメロディでした。ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は他の協奏曲と違い、劇的な部分が全くと言っていいほどありません。どちらかというと地味な曲でおまけに長いので聴く人を満足させる演奏をするのは難しいと思います。この日の紗矢香さんの演奏は全く退屈させない演奏だったと思います。終演後、会場は割れんばかりの拍手で「ブラヴォー!」の声が飛び交っていました。終演後サインをいただきました。