庄司紗矢香
Sayaka Syoji
      
2003年東京都響楽団プロムナードコンサートNo.305 2003年7月6日(日)東京都交響楽団プロムナード
            コンサートNo.305
◆指揮 広上淳一
◆場所 サントリーホール
◆プログラム◆
M.レーガー/ヴァイオリン協奏曲イ長調Op.101
I.ストラヴィンスキー/バレエ音楽「春の祭典」

日曜日の演奏会だったので日帰りで東京まで出かけて行きました。当初指揮者は大野和士さんでしたが頸部捻挫のため来日出来なくなったので、広上淳一さんが指揮を務めました。チケットは完売でした。前半のレーガーの協奏曲に関しては全く予備知識がない状態で聴くことになりました。はっきり言って「長い」曲です。(もしかして現存するヴァイオリン協奏曲で一番長いのでは。。。(^_^;))演奏j時間は1時間近くにもなります。紗矢香さんの演奏は非常にパワーを感じさせる演奏でした。第1楽章に長いカデンツァがあるのですが、あまりに素晴らしい演奏で思わず息を呑んで聴いていました。第2楽章では歌心を感じさせる演奏、第3楽章はとてもリズミカルで集中力を感じさせる演奏でした。途中で崩れることもなく最後まで素晴らしい演奏だったと思います。後半の「春の祭典」を生で聴くのは初めてでしたがなかなかの熱演で良かったと思います。「いけにえ」の儀式を表している曲ですから少々荒っぽい面があっても丁度良い感じです。それにしても変拍子の激しい曲です。終演後紗矢香さんにサインをいただきました。

2003年ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団 2003年10月2日(木)ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団
◆指揮 リッカルド・シャイー
◆場所 ザ・シンフォニーホール
◆プログラム◆
G.A.ロッシーニ/歌劇「どろぼうかささぎ」序曲
N.パガニーニ/ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調Op.7
M.P.ムソルグスキー(M.ラヴェル編曲)/組曲「展覧会の絵」

イタリアのオーケストラ、ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団、指揮者はイタリア人のリッカルド・シャイーということで期待して出かけましたが実に良い演奏会でした。にもかかわらずお客さんの入りは7割くらいといったところでした。大阪でクラシックの演奏会をするは難しくなっているとは聞いていますがそれをこういうところで感じさせられます。1曲目のロッシーニからその本領を発揮していました。音色は明るくいかにもイタリアらしいオーケストラです。2曲目で紗矢香さんの登場です。パガニーニの協奏曲第2番ということで楽しみにしていました。この曲は第3楽章の「ラ・カンパネラ」で有名ですが、相変わらずオーケストラは伴奏に徹している曲です。特に低音部なんて和音しか弾いてないんじゃないのかしらと思いたくなるようなオーケストレーションです。普通なら技巧に走りがちなパガニーニの曲を出だしの1音から滑らかに歌ってくれました。紗矢香さんはこの曲がきっと好きなのでしょう。非常に楽しいで弾いている感じを受けました。(この曲1楽章のメロディにロッシーニの「セヴィリアの理髪師」のテーマに非常に似たメロディが登場するのです。パガニーニとロッシーニは友人だったそうですからその影響なのでしょうね。)歌うメロディだけでなくテクニックを要する部分も素晴らしかったと思います。(フラジオレットの重音etc.本当にたくさんのテクニックを要する部分があるんですよ。)1楽章のカデンツァなんて言うことがないと感じるくらい良かったですよ。聴衆もしんとして聴き入っていました。2楽章の歌うメロディも実に良かったです。3楽章の「ラ・カンパネラ」ですが、テーマ部分はかっちり引く人が多いのですが、紗矢香さんは滑らかに歌わせて弾いていました。それでいてテクニックを要する部分はかっちり弾いていました。本当に素晴らしい演奏でした。しかも技巧に圧倒される演奏をする人が多い中、紗矢香さんの演奏は本当に感性が豊かで感動しました。(パガニーニで感動するなんて初めてでした。)演奏後も聴衆は大喝采で鳴り止まない拍手に応えてアンコールを弾いて下さいました。曲はイザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番から第1楽章だったと思います。後半の展覧会の絵では出だしの一番おいしい部分でトランペットがつまずく場面がありましたが非常に迫力のある、まとまった良い演奏だったと思います。指揮者のシャイーさんも非常にのりが良くて満足げでした。(オーケストラのメンバーものりが良くて演奏後に足を踏み鳴らしたりしていました。)聴衆も拍手大喝采でした。終演後サイン会がありました。この日はサイン会の段取りが良かったです。(^。^)シャイーさんはとても陽気な方でした。紗矢香さんと一緒に写真も撮ることが出来ました。(^。^)

2003年ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団 2004年3月13日(土)ロンドン交響楽団
◆指揮 サー・コリン・デイヴィス
◆場所 岡山シンフォニーホール
◆プログラム◆
J.シベリウス/交響詩「大洋の女神」Op.73
J.シベリウス/ヴァイオリン協奏曲ニ短調Op.47
I.ストラヴィンスキー/バレエ「火の鳥」全曲

この日は休みだったこともあって岡山まで出かけて行きました。市内に路面電車が走るちょっとのどかな雰囲気がただよう街です。就実学園の100周年記念事業ということで案内係系のスタッフは学生が務めていました。客入りは9割くらいだったと思います。ロンドン交響楽団の演奏も生で聴くのは初めてでした。1曲目からその本領は発揮されていました。弦も管も綺麗な音色です。2曲目で紗矢香さんが水色の素敵なロングドレスで登場しました。彼女の演奏はよくある北欧の独特の寒さを表現しているというよりもご本人が感じたままを表現していると思われました。とにかくたっぷり歌わせる演奏で演奏時間も非常に長かったです。恐らく40分以上はかかっていたのではないでしょうか。この手の演奏は好みが分かれるところだと思いますが、私としては彼女らしい歌わせ系のシベリウスで良かったと思います。2楽章ではヴァイオリンの音がオーケストラにかぶってしまって少し残念でしたが1・3楽章は言うことがないくらい良い演奏でした。1楽章のカデンツァなんてほんとうに表情豊かでした。アンコールはイザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番から第1楽章だったと思います。急いでおられたのか演奏後は割りとそそくさと舞台袖に引き上げられました。後半の「火の鳥」もかなりオーケストラの本領が発揮されていました。ロシア系の曲なのでシベリウス同様音色のイメージが違うといえば違うのですが、音は綺麗だし、管も上手いと思います。アンコールのときお客さんが曲も終ってないのに「ブラヴォー!」と叫んだため、(恐らく曲を知らなかったんでしょうね。(^_^;))拍手が早く起きてしまったのはご愛嬌。ところでホール側の対応でただ1つ気になったことがあります。1曲目と2曲目の第1楽章の部分で写真業者(だと思います)がシャッターを切る音がかなり頻繁に聞こえたことです。しかもお客さんがしんと静まり返っているときだったのでよけいに目立ちました。私をはじめ数人のお客さんは音がする度にそちらを振り返っていました。中には睨んでいる人もいました。ついにあるお客さんが怒って「うるさい!」と言いだして、写真撮影は辞めていましたが。このホール写真を撮るためのスペースくらい作っていないのでしょうか。だとしたらあまりにもお粗末です。お客さんは高いお金を払って聴きに来ているのですから、演奏を聴くときに集中力を乱されるのって最悪だと思います。あげくのはてに休憩中のアナウンスがお客さんに対して「写真撮影行為を辞めて下さい」というものでした。これも失礼ですよね。終演は午後9時30分、当然紗矢香さんは帰られてしまったあとでしたし、指揮者のデイヴィスさんもオーケストラのメンバーも急いで引き上げて行きました。

2004年ロンドン交響楽団 2004年7月3日(土)2004年東京フィルハーモニー交響楽団
            第691回定期演奏会
◆指揮 チョン・ミュンフン
◆場所 Bunkamuraオーチャードホール
◆プログラム◆
R.ワーグナー/歌劇「タンホイザー」序曲
A.ベルク/ヴァイオリン協奏曲−ある天使の思い出に−
       (1935)
J.ブラームス/交響曲第2番ニ長調Op.73

この日は休みだったので東京まで出かけて行きました。(ほとんどおっかけ状態です。(^o^))この日は飛行機で行きました。渋谷は人が多くておまけにオーチャードホールの方向がよくわからなくて少し困りました。ホールはほぼ満席でした。何度も書いていますが東京のオケは上手いですね。弦も管も音色の質が格段に違うと思います。1曲目の「タンホイザー」後半のブラームスでは指揮者のチョン・ミュンフンさんの効力もあってか本領を発揮しているなと感じました。2曲目のベルクの協奏曲を生で聴くのはこれで4回目になります。プログラムに書いてある解説が中々興味深いものでした。(表向きはアルマ・マーラーの娘のレクイエムで実は裏面があるというもの。)導入部から紗矢香さんはヴァイオリンをたっぷり歌わせて弾いていましたが、1楽章はソロもオーケストラもややのっていない感じを受けました。曲が進むに従ってだんだんと調子がのってきて2楽章では少女が苦しんだ末やがて静かに天に召されて行く様子が表現出来ていたように感じました。12音階は少し屈折しているので通常は耳につくように感じることが多いのですが、高音も非常に綺麗でしたし。(欲を言えばバッハのコラールの部分の木管がもっとオルガンらしく聞えれば良かったですが。)あとこの日は1階の比較的前の方に座っていたのですが、オーチャードホールは天井が非常に高いためか音が上に抜けて上から降ってくるような聞こえ方をするので、所々で(特に1楽章で)ヴァイオリンの音がかき消されてしまっていました。上の階で聴いたらもしかしたらバランス良く聞えたのかもしれません。紗矢香さんがこの曲を演奏するのは今回が初めてとのことでしたから、2回3回と弾いていくうちにきっと素晴らしいものになっていくことでしょう。今後に期待したいと思います。オーチャードホールはとても対応が良くて、終演後楽屋口で待っていたら中まで連れて行って下さいました。(^o^)その時嬉しいことに数名の方から私のサイトを見ていますと声をかけられました。(私よりも遠くから来られた方もおられたりしてとても驚きました。)

2004年東京フィルハーモニー交響楽団第691回定演 2004年10月24日(日)ニューヨーク・フィルハーモニック
◆指揮 ロリン・マゼール
◆場所 ハーモニーホールふくい大ホール
◆プログラム◆
S.S.プロコフィエフ/バレエ「ロメオとジュリエット」から
             3つの情景
S.S.プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調Op.19
A.ドヴォルザーク/交響曲第9番ホ短調Op.95「新世界より」

日曜日だったこともあって福井まで出かけてきました。直前に新潟で大きな地震がありましたが北陸線は何事もなかったかのように動いていました。福井は駅前も結構のどかなところでした。会場のハーモニーホール福井はもっとのどかなところにありました。(畑の真中にありました。)行くまで結構時間がかかりました。お客さんは9割方入っていました。音響はまあまあでした。1曲目のプロコフィエフの「ロミオとジュリエット」の3つの情景の3曲目はロミオの後を追って死んで行くジュリエットを表した曲でしたがもう少し感情表現が欲しいなぁと思いました。2曲目に紗矢香さんが登場しました。シベリウスの時と同じく青いドレスで登場しました。この曲私は大好きなのですが、曲の入りから非常に感情表現が豊かで第1楽章、第3楽章の第1主題などは涙があふれてくるくらいに素晴らしい演奏でした。第2楽章のスケルツォは音量でオーケストラにやや押され気味でしたが彼女は少しも背伸びしたところがなく真摯に演奏するので心を打たれることが多いです。アンコールにはバルカウスカスのパルティータ(たぶん現代曲ですね。)を演奏して下さいました。普通現代曲って聴くのも疲れたりするんですけど彼女のヴァイオリンの場合疲れないんですよね。後半の「新世界」はなかなかの力演でしたが、時折金管の立上りが揃わないことがあったのが残念でした。それでも終演後は「ブラヴォー!」の嵐に包まれました。アンコールはドヴォルザークのスラブ舞曲Op.72-1とビゼーの「アルルの女」からファランドールでした。終演後紗矢香さんにサインをいただこうと楽屋口へ行きましたが飛行機の時間の都合でサイン会はありませんでした。

2004年ニューヨークフィルハーモニック 2005年4月19日(火)ベルリン・ドイツ交響楽団
◆指揮 ケント・ナガノ
◆場所 ザ・シンフォニーホール
◆プログラム◆
F.メンデルスゾーン/序曲「静かな海と楽しい航海」Op.27
F.メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64
L.V.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op.67「運命」

ベルリン・ドイツ交響楽団の演奏は以前ベルリンで演奏を聴いたことがあって好印象を持っていたので楽しみにしていました。紗矢香さんのメンデルスゾーンを聴くのは5年ぶりです。1曲目からドイツのオケらしい重厚な音で聞かせてくれました。2曲目でいよいよ紗矢香さんが登場しました。結構オケの編成が大きかったので音量は大丈夫かしらと思いましたが聞かせてくれました。出だしから深みのある音色で音量も申し分なく弱音の部分でもバランスは非常に良かったとおもいます。紗矢香さんは以前同様テンポはゆっくりめで思い切り歌わせて演奏するスタイルでしたが、テクニック特に表現力がこの5年間で素晴らしく成長したように感じました。1楽章のカデンツァの部分では会場も思い切り静まり返っていたので(咳込む人が結構いたのは残念でしたが)彼女の集中力が感じられて良かったです。2楽章もヴィヴラートをたっぷりかけて思い切り歌わせて演奏していましたが、間延びすることもなく心を打たれる素晴らしい演奏でした。3楽章も遅めのテンポで聞かせてくれました。メンコンはしょっちゅう聞くので感動することなんてめったにありませんし、最近はスマートで淡々と演奏するスタイルの方が多いのですが紗矢香さんの演奏は古き良き時代を思い出させる素晴らしい演奏だと思います。演奏が終った瞬間には「ブラヴォー!」の声もありました。アンコールにはバッハの無伴奏パルティータ第2番から「サラバンド」でした。後半の「運命」スマートなスタイルでしたがなかなか良かったと思います。アンコールは真夏の夜の夢から「間奏曲」でした。終演後紗矢香さんはお急ぎだったようで公式にサイン会という形は取っていませんでしたがサインはして下さいました。