庄司紗矢香
Sayaka Syoji
      
2001年フィルハーモニア管弦楽団 2001年7月20日(金)フィルハーモニア管弦楽団
◆指揮大友直人
◆場所 神戸国際会館国際ホール
◆プログラム
H.ベルリオーズ/序曲「ローマの謝肉祭」Op.9
F.メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64
H.ベルリオーズ/幻想交響曲〜ある芸術家の生涯のエピソード〜 
           Op.14

以前から紗矢香さんの演奏を聴きたいと思っていましたが、なかなか聴く機会がありませんでした。1999年のパガニーニ国際コンクール優勝から2年経ってようやく聴くことができました。非常に素直な表現。湿気のためか音程が時々不安定だったり、演奏に雑音が入ったりはしましたが良かったです。特に第1楽章のカデンツァから第2楽章にかけてはたっぷりと情緒豊かに歌わせていて絶品でした。(^○^)CDで聴いた印象に間違いはなかったと感じました。今回は席が3階でしたが、1階より数段に良かったですね。(でもこのホール、ヴァイオリンには広すぎて酷ですよ。)オケ全体の音もよく聞こえてきましたし。フィルハーモニアの音色は実に明るくて、金管が派手めです。後半の幻想で特にそう感じました。全体的にすっきりとした演奏でした。欲を言えば、もう少し抑揚が欲しいと感じましたが。。。しかし上手いですよ。しかも「幻想」ってオケ編成が面白いですよね。終演後、紗矢香さんは帰ってしまっていてサインをいただくことができませんでしたが、大友さんのサインをいただくことは出来ました。

2001年サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団 2001年11月3日(土)サンクトペテルブルク・フィルハーモニー
             交響楽団
◆指揮 ユーリー・テミルカーノフ
◆場所 横浜みなとみらいホール
◆プログラム◆
A.K.リャードフ/プーシキン記念のポロネーズOp.49
P.I.チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35
P.I.チャイコフスキー/交響曲第6番ロ短調Op.74「悲愴」

紗矢香さんがサンクトペテルブルクフィルと協演するということで横浜まで出かけていきました。チャイコフスキーの協奏曲はこれまで何度も聴いていますが、(今年はこれで3度目でしょうか。)今まで聴いた中では一番心に残る演奏だと感じました。紗矢香さんは10代にしてしっかりと自分の演奏をしているのです。第1楽章の出だしからカデンツァから第2楽章の哀愁に満ちたカンツォネッタから第3楽章の終わりまですべてが深みのある素晴らしい演奏でした。心に染入ると言いましょうか、素直すぎて思わず聞き入ってしまうのです。今回は席は2階でしたが、音もくっきりと聞こえてきました。第1楽章終了後にも拍手が起き、全楽章終了後には「ブラヴォー!」の声もありました。観客の拍手に応えてアンコールを1曲弾いて下さいました。サンクトペテルブルクフィルの演奏ですが、アンサンブルがとても綺麗です。前半も後半も思わず聴き入ってしまいました。心に訴えるものを感じる素晴らしい演奏でした。残念だったのは「悲愴」の終演時に拍手の早い人がいたこと。最後の沈黙はもう少し長く続いて欲しかったですね。確か第3楽章が終わったところで拍手しようとした人もいました。(^_^;)終演後、大雨の中サインをいただこうと楽屋口へと向かいました。テミルカーノフさん、紗矢香さんお2人のサインをいただくことが出来ました。(^o^)遠出してきた甲斐があった嬉しい1日でした。(^o^)

2002年東京都交響楽団第553回定演 2002年6月13日(木)東京都交響楽団第553回定期演奏会
◆指揮 ガリー・ベルティーニ
◆女声合唱 晋友会合唱団
◆場所 東京文化会館大ホール
◆プログラム◆
J.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.77
C.A.ドビュッシー/夜想曲
M.ラヴェル/ボレロ

紗矢香さんのブラームスを聴きたくて東京まで出かけて行きましたが、その甲斐あって素晴らしい演奏でした。音色はつややかで10代だとは思えないほど情緒豊かな演奏でした。特に第1楽章のカデンツア、2楽章に至っては「なんて素晴らしい歌わせ方をするんだろう」と涙が出るほど感動しながら聴いていました。聴衆も息をのんで聴いていました。その証拠に演奏中は雑音がなく、集中して聴いているのが伝わってきていました。彼女は若くして飛行機事故で亡くなったジネット・ヌブーを尊敬しているそうですが、ヌブーの演奏にも似て、感じるままに演奏しているようでした。それでいて軌道は外していないから素晴らしいです。ベルティーニさんもすごくご機嫌でした。不満を言うとすればホールの響きが今一つだったことと、都響にはもう少し頑張って欲しかったなと感じたことです。(時々「ん?」と感じる場面がありました。)演奏後は「ブラヴォー!」の声もありました。拍手が鳴り止まないのに応えてアンコールにクライスラーの「レチタティーボとスケルツォ・カプリース」を演奏して下さいました。(^o^)前半が良すぎて後半の2曲がちょっと役不足気味に感じました。終演後楽屋口へ出向いていってポスターにサインをいただいて、(今部屋に貼ってあります。かなりミーハー。。。(^^ゞ)夜行列車で帰りました。ハードでしたが有意義な1日でした。(^o^)

2002年チェコフィルハーモニー管弦楽団 2002年11月30日(土)チェコフィルハーモニー管弦楽団
◆指揮 ヤコフ・クライツベルク
◆場所 京都コンサートホール大ホール
◆プログラム◆
A.ドヴォルザーク/序曲「謝肉祭」Op.92
W.A.モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調K.218
G.マーラー/交響曲第1番ニ長調「巨人」

紗矢香さんがチェコフィルと協演するということでとても楽しみにしていたのですが、はっきり言って期待外れな演奏会でした。紗矢香さんのモーツァルトは彼女らしい素直な音色で、かのグリュミオーを思わせるような演奏で非常に良かったと思いました。カデンツァも申し分ありませんでした。拍手が鳴り止まないのでアンコールにパガニーニのカプリースから1曲演奏されました。曲が終わっていないのに「ブラヴォー!」を叫ぶ人がいたのはかなり興ざめでしたが。。。(^o^;)この日の演奏会がなぜ期待外れだったかといいますと、チェコフィルの演奏があまりにも酷かったからなんです。特に後半のマーラーでは金管がぐちゃぐちゃだし、全体的に曲の出足が遅れるし、何よりもあきらかに音程を外している箇所が何箇所もありました。(話は紗矢香さんがモーツァルトを弾いていたときに戻りますが、オケのメンバーが舞台裏で音出ししているのがホールまで聞こえてきたりするハプニングまでありました。指揮者が注意しに行っていましたが。(^_^;))とにかく集中力を欠いたやる気がまったく感じられない演奏でした。こんな演奏でも「ブラヴォー!」を叫ぶ人がいたのでよけいに興ざめしました。指揮者が若くてまとめるだけの力がなかったのか、コンサートが連続していたので気を抜いていたのかは知りませんが、こちらも高い料金を払って聴きに行っているのですからその辺は心得て欲しいですよ。

2002年第18回つくば国際音楽祭 2002年12月14日(土)第18回つくば国際音楽祭
◆ピアノ イタマール・ゴラン
◆場所 つくばノバホール
◆プログラム◆
W.A.モーツァルト/ヴァイオリン・ソナタ第28番ホ短調K.304(300c)
S.S.プロコフィエフ/ヴァイオリン・ソナタ第1番ヘ短調Op.80
A.L.ドヴォルザーク/4つのロマンティックな小品Op.75、B.150
L.V.ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調Op.47
             「クロイツェル」

紗矢香さんのリサイタルがあるというのではるばる茨城県のつくばまで出かけていきました。その甲斐のある素晴らしい演奏会でした。まずこの企画を運営されている方々の対応が良かったです。接し方も丁寧で全体的な雰囲気もとてもアットホームでした。1曲目のモーツァルトはやはりグリュミオーを思わせるような非常に滑らかで繊細な演奏でした。一転してプロコフィエフでは非常に緊張感を感じさせる迫力ある演奏でした。コントラストもはっきりしていて良かったと思います。終わった瞬間に紗矢香さんが弓を下ろすまで聴衆が静まり返っていたのがまた良かったです。後半の4つの小品では最初伴奏でハプニングが起こりました。譜めくりの人が楽譜をめくるのが遅れたため一瞬ピアノが乱れたのです。(譜めくりの人はあまり慣れていないようでした。私も譜めくりしたことはありますが、結構タイミングが大事なんです。)それでも紗矢香さんは全く気に留めることなく集中して演奏を続けていました。(ハプニングが起こっても動じない、さすがプロですね。)最後にクロイツェルですが、10代にしてここまで洗練された演奏をする人も珍しいです。若い人の演奏を聴くとこの手の曲は表現力は今一つだなと感じることがほとんどなのですが、彼女の場合は今の段階で自分の演奏をしていますから感心させられてしまいます。本当にこれからが楽しみです。アンコールはD.D.ショスタコービッチ/D.ツィガーノフ編曲)のヴァイオリンとピアノのための4つの前奏曲(ピアノのための24の前奏曲から第10番、5番、16番、24番を編曲したものです。)から2曲、P.サラサーテ/スペイン舞曲集からアンダルシアのロマンスOp.22-1(違うかもしれません。違ってたらごめんなさい。)、F.クライスラー/愛の悲しみ、そこまでかなと思ったら鳴り止まない拍手に応えてL.V.ベートーヴェンのロマンス第2番ヘ長調Op.50まで演奏して下さいました。本当に素晴らしかったです。終演後は演奏者を囲んでの交流会までありました。ちなみにその日何とか11時の夜行に間に合いまして帰りました。(^o^)

2003年WDRケルン放送交響楽団 2003年5月24日(土)WDRケルン放送交響楽団
◆指揮 セミヨン・ビシュコフ
◆場所 愛知県芸術劇場コンサートホール
◆プログラム◆
R.ワーグナー/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
          第1幕への前奏曲
M.ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調Op.26
J.ブラームス/交響曲第1番ハ短調Op.68

紗矢香さんのブルッフを聴くのは初めてです。土曜日だったこともあって名古屋まで出かけていってきました。ケルン放送響の演奏を聴くのはかなり久しぶりですが、ドイツらしい渋い低音の響きを持ったオーケストラで私好みです。特に今回のプログラムはドイツもののオンパレードでしたので楽しみにしていました。1曲目のワーグナーは可もなく不可もなくといった感じでした。2曲目のブルッフで紗矢香さんが登場しました。導入部の第1音から引き付けられて聴いていました。紗矢香さんはヴィヴラートをたっぷりかけて滑らかに、そして感情豊かに演奏していました。特に2楽章は3楽章に向けて感情が高まって行かなくてはならないのですが、紗矢香さんの演奏は(私にとっては)理想どおりに感じました。このときは3階にいましたが、音量的にも問題はなかったと思います。ただこのコンサートホールはやや響きぎるように感じました。演奏後は拍手喝さいで「ブラヴォー!!」の声もありました。鳴り止まない拍手に応えて、M.レーガーの「プレリュードとフーガ」を演奏して下さいました。これがまたとても集中力を感じさせる演奏で、みんな静まり返って聴いていました。演奏後は当然拍手喝采状態でした。後半のブラームスの1番は非常にドイツらしい渋い響きで演奏してくれてとても引き付けられる演奏でこれもまた良い演奏だと思いました。特に弦の響きが綺麗でした。コンサートミストレスの四方さんのソロも綺麗で引き付けられました。4楽章の最後の音が消えないうちにあまりの感動に叫んだのか「ブラヴォー!!」の声がありました。良い演奏だったのでその気持ちはわかりますが。。。(^_^;)終演後、紗矢香さんは帰ってしまわれてサインをいただけなかったのですが、ビシュコフさんにはサインしていただきました。また、コンサートミストレスの四方さんを見つけてすかさずサインをいただきました。(^。^)