マウリツィオ・ポリーニ
Maurizio Pollini
      
1995年リサイタル 1995年5月22日(月) ピアノリサイタル
◆場所 ザ・シンフォニーホール
◆プログラム
R.シューマン/アレグロロ短調Op.8
R.シューマン/幻想曲ハ長調Op.17
F.ショパン/2つの夜想曲Op.27
F.ショパン/ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調Op.35「葬送」

しんと静まりかえった雰囲気の中でコンサートは始まりました。鍵盤を捕らえるようなタッチに圧倒されて、息を呑んで聴き入っていました。素晴らしいの一言です。特に後半の夜想曲ではポリーニ独特の世界に引き込まれてしまいました。ソナタ第2番も素晴らしい演奏でした。終演後惜しみなく送られる拍手に何度も答えていました。最近のポリーニの演奏は以前に比べいっそう奥の深さが備わってきていると思います。これ以来大阪に来ることがなくて彼の生演奏に触れる機会がないのが残念でなりません。ぜひまた大阪に来て欲しいものです。

2005年リサイタル 2005年11月12日(土) ピアノリサイタル
◆場所 ザ・シンフォニーホール
◆プログラム
F.ショパン/3つの夜想曲Op.15
F.ショパン/バラード第3番変イ長調Op.47
F.ショパン/2つの夜想曲Op.48
F.ショパン/スケルツォ第1番ロ短調Op.20
F.ショパン/2つの夜想曲Op.55
F.ショパン/2つの夜想曲Op.62
F.ショパン/ポロネーズ第5番ヘ短調Op.44
F.ショパン/ポロネーズ第6番変イ長調Op.53「英雄」

10年ぶりにポリーニが大阪にやってきました。チケットは完売で立見まで出ていました。ここまで大入りになるコンサートに遭遇するのも最近では珍しいです。そのくらい人気があるということなのでしょう。ピアノもホールの物を使用せずに、(スタインウェイジャパンのトラックが来ていましたからピアノを運んできたのでしょうね。)誘導灯まで消してホールの照明も暗めにするというこだわりようでした。個人的にはショパンを弾くにはちょっとピアノの音が硬かったように感じました。(ピアノが新しかったのでしょうか?)その上ポリーニの強音を弾く時の タッチは強いので高音が耳につく感じがしました。夜想曲のようなゆっくりした曲は非常に奥が深く素晴らしかったと思います。ただポロネーズのような曲になると昔のポリーニならミスタッチなんてなかったのですが、今回はミスタッチが目立ちました。キレも良くなかったです。それでも鳴り止まない拍手と「ブラヴォー!」の声に応えて

アンコールは
1.F.ショパン/前奏曲変ニ長調Op.28-15「雨だれ」
2.F.ショパン/バラード第1番ト短調Op.23
3.F.ショパン/練習曲ハ短調Op.10-12「革命」
4.F.ショパン/練習曲嬰ハ短調Op.10-4

一緒に行った主人も話しておりましたがアンコールの方が乗っていたと思います。バラードなんてしっかりポリーニの世界を築いていたと思うし、3曲目4曲目のエチュードなんて昔のポリーニを思わせる完璧さでしたもの。観客はほとんど総立ちで「ブラヴォー!」の声も止みませんでした。この後楽屋口に行ってポリーニを見送ろうと思ったらすごい人だかりで(当然サイン会はありません。)頭が少し見えただけでした。