五嶋みどり
Midori
      
2001年ウィークエンドコンサート 2001年6月10日(日)ウィークエンドコンサート
◆ピアノ 及川浩治
◆場所 ザ・シンフォニーホール
◆プログラム
J.マスネ/タイスの瞑想曲
F.クライスラー/プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ
E.エルガー/朝の歌Op.15-2
J.S.バッハ/無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調
        BWV.1004より「シャコンヌ
C.A.ドビュッシー/組曲「子供の領分」より
            第1曲グラドゥス・アド・パルナッスム博士
            第3曲人形のセレナード
            第6曲ゴリウォッグのケークウォーク
C.S.サン=サーンス/ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ短調Op.75

ふとしたことで年齢制限があるこのコンサートを聴くことができてとても嬉しく思いました。全体的に比較的知られた曲で構成されていました。1曲目は池田市で起きた傷ましい事件に対する追悼のために「タイスの瞑想曲」が演奏されました。Midoriさんの気持ちがとてもよく伝わってくる演奏でした。次の「プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ」はCDで聴いたとおりの切れのある素晴らしい演奏でした。やっぱりこの曲は難しいですね。Midoriさんは技巧的な曲と感性が必要な曲を素晴らしいくらいに弾き分けていました。彼女のバッハの無伴奏を聴くのは初めてでしたが、切れのある素晴らしい演奏でした。今度は全曲で聴いてみたいですね。後半はまず及川さんのドビュッシーのピアノ曲。最後はサン=サーンスのヴァイオリンソナタ第1番でした。非常に技巧的な部分が多い曲ですが完璧な演奏でした。余談ですが、終演後Midoriさんのサイン会で(若者に混じって堂々と並んでいました。(^^ゞ)ご本人から「メールを有難うございました。」と声をかけられて非常に驚きました。

2002年ピッツバーグ交響楽団 2002年2月21日(木)ピッツバーグ交響楽団
◆指揮 マリス・ヤンソンス
◆場所 フェスティバルホール
◆プログラム
D.D.ショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調Op.77
G.マーラー/交響曲第1番ニ長調「巨人」

96年のウィーン・フィルとの協演以来協奏曲を聴けるということでとても楽しみにしていました。ショスタコーヴィチ の協奏曲第1番は曲が難解だということもあってか演奏される機会は少なめです。フェスティバルホールが響かないということと、もしかしたら座っていた位置も原因だと思いますが、第1楽章第2楽章は音量的面でやや物足りなさを感じました。第3楽章のカデンツァ以降は非常に集中力を感じさせ、音量面でも申し分なく感じました。テクニックはもちろん申し分ありません。ただ曲のイメージからするともう少しおどろおどろしい面があっても良かったように感じました。オーケストラは後半のマーラー第1番の方が本領を発揮していたように感じました。気のせいなのかもしれませんが金管の入りが時々ずれていた気がしました。第1楽章の「森の場面」のイメージがちょっと違うように感じました。しかし観客席は前半、後半どちらも「ブラヴォー!」の嵐でした。前半の終了後、楽屋までおじゃましてMidoriさんと一緒に写真撮影をしました。(^○^)終演後サインもいただきました。

2002年ピッツバーグ交響楽団 2002年2月23日(土)ピッツバーグ交響楽団
◆指揮 マリス・ヤンソンス
◆場所 横浜みなとみらいホール大ホール
◆プログラム
R.シュトラウス/歌劇「ばらの騎士」Op.59よりワルツ
M.ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調Op.26
J.ブラームス/交響曲第1番ハ短調Op.68

大好きなブルッフの協奏曲第1番をMidoriさんが演奏するということで横浜まで出かけて行きました。Midoriさんの演奏は第1、第3楽章は非常に切れのある集中力を感じさせる一方で、第2楽章では一転情緒豊かで非常に良かったと感じました。時々オーケストラの入りが乱れそうになるところがあったりしましたが、全体的には良かったと感じました。鳴り止まない拍手に応えて、アンコールにバッハの無伴奏を弾いて下さいました。(^○^)後半のブラームスの第1番は時々金管が危うかったのと、オーケストラの音色が曲のイメージと少し違うかなと感じた以外は良かったと思います。大阪公演でもそうでしたが、観客席は「ブラヴォー!」の嵐になりました。ヤンソンスさんも非常にご機嫌でした。終演後サイン会があり、サインをいただいて、写真撮影もしました。(^○^)所属事務所?の方も親切でホールの係の方は「一緒に撮影するのはご遠慮ください」と言っていましたが、一緒に写りたいと望む人にはシャッターを押して下さいました。もちろん私も一緒に撮らせていただきましたよ。みなとみらいホールは非常に段取りが良く、サイン会があるかないかを早めにホールの人が知らせに来ます。サイン会があってもなくてもこういう対応をしていただくと嬉しいですね。その日、寝台急行「銀河」で大阪に帰りました。前から乗ってみたかったのですが、電気機関車に客車が連結されているタイプの列車で、エンジン音がうるさく、途中停車、発車が何度もあってその度に大きく揺れるので熟睡はできませんでした。

2002年デュオリサイタル 2002年5月31日(金) デュオリサイタル
◆ピアノ ロバート・マクドナルド
◆場所 ザ・シンフォニーホール
◆プログラム
F.シューベルト(F.リスト/D.オイストラフ編)/「ウィーンの夜会」
          S.427よりヴァルス・カプリース第6番
L.V.ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ 第10番ト長調Op.96
K.シマノフスキ(コハンスキ編)/クルピエ地方の歌Op.58より
                     第9曲「いななけ、仔馬よ」
R.シュトラウス/ヴァイオリン・ソナタ変ホ長調Op.18

今年はMidoriさんがデビューして20周年、みどりi教育財団設立10周年ということでコンサート、イベントが盛りだくさんです。考えてみれば彼女の演奏を聴くようになって私自身も10年目になります。偶然なのでしょうか、日程が93年のリサイタルと全く同じでした。この10年で彼女の演奏には本当に深みが感じられるようになったと思います。ベートーヴェンのソナタ第10番もシュトラウスのソナタも第2楽章の表現力を特に必要とする部分で「いい音色を出しているなあ」と思いながら感動して聴いていました。もちろんテクニックを要する部分にも申し分がないのは言うまでもありません。ただ、このホールのピアノがプルサイズだったためなのか、私の座っていた席が1階の真中あたりだったからなのかはわかりませんが、ピアノの音が勝ちすぎていたことと、Midoriさんのヴァイオリンの中低音がやや弱く感じたことが気になりました。アンコールの1曲は「序奏とタランテラ」でした。10年前にもこの曲を聴きましたが、あの頃に比べてずいぶん表情豊かになったなと感じました。終演後2回のロビーにてMeet&Greetがありました。ものすごい人だかりで将棋倒しにならないかと心配になりました。大阪人はこの辺がどうも秩序がないというか。。。聴衆との間に距離を置かない彼女の姿勢には本当に好感が持てます。私は最後の方になってしまったのでお話することは出来なかったのですが、サインはいただいて帰りました。

2002年青少年のためのコンサート 2002年6月30日(日)青少年のためのコンサート
◆ヴァイオリン 五嶋みどり(*1、2、4、5、7)
◆ピアノ 及川浩治(*2、3、4、7)
◆特別ゲスト ヴァイオリン 葉加瀬太郎(友情出演)(*2、6)
         チェロ 柏木広樹(*6) ピアノ 榊原 大(*6)
◆ヴァイオリン他 公開レッスン受講者(93〜96)他(*1、5、7)
◆場所 NHK大阪ホール
◆プログラム
A.ドヴォルザーク/三重奏曲ハ長調Op.74(*1)
J.S.バッハ/2つのヴァイオリンのための協奏曲二短調BWV1043より
        第1楽章(*2)
F.リスト/愛の夢第3番(*3)
E.エルガー/愛のあいさつOp.12(*4)
J.S.バッハ/ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調BWV1048(*5)
−葉加瀬太郎コーナーー(*6)
A.ピアソラ/リベルタンゴ
V.モンティ/チャルダーシュ
葉加瀬太郎/エトピリカ
E.ショーソン/ヴァイオリン、ピアノと弦楽四重奏のための協奏曲
         ニ長調Op.21より第2楽章、第4楽章(*7)

みどり教育財団設立10周年、五嶋みどりデビュー20周年を記念して企画されたコンサートでした。すごく盛りだくさんで聴き応えのあるプログラムでした。特別ゲストにどうして葉加瀬太郎さんが出演されるんだろうと思っていたら、Midoriさんと同じ門下生だったんですね。演奏を生で聴いたのは初めてでしたが、なかなかリズミックですねえ。バッハの協奏曲はちょっとイメージが違ったかもしれません。。。あくまで私の感じ方ですが。葉加瀬太郎コーナーで演奏した曲目は彼にぴったりはまっていると思いました。Midoriさんが公開レッスンの受講者の方々と共演している姿は実にアットホームな感じで良かったです。ブランデンブルク協奏曲についてはちょっと人数が多すぎに感じましたが、(でもやっぱり上手いです!!)最後に演奏したショーソンの協奏曲はなかなかの力演だったと思います。ショーソンってこんな曲も書いていたんですね。(初めて知りました。)終演後、楽屋にお邪魔したタイミングが悪かったのでご本人にはお会いできませんでしたが、サインはいただくことができました。(弟の龍君を廊下で見かけました。秋にはフィルハーモニアと協演するそうです。ぜひ出かけていきたいと思っています。)

2003年ヴァイオリンリサイタル 2003年6月23日(金) ヴァイオリンリサイタル
◆ピアノ ピーター・ビノグレート
◆場所 金沢県立音楽堂コンサートホール
◆プログラム
F.メンデルスゾーン/ヴァイオリン・ソナタヘ長調
R.シューマン/ヴァイオリン・ソナタ第1番イ短調Op.105
W.ルトワフスキ/スビト
L.ヤナーチェク/ヴァイオリン・ソナタ
J.ブラームス/ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調Op.100
P.I.チャイコフスキー/ワルツ・スケルツォハ長調Op.34

聴き応えありそうな曲目だったので遠出して聴きに行ってきました。1曲目のメンデルスゾーンのヴァイオリンソナタはあることは知っていましたが聴くのは初めてでした。聴いてみてあまり演奏されない理由がわかる気がしました。(あまり印象に残る曲ではないと思います。)この曲の演奏直後ハプニングがありました。場内アナウンスで誤って20分間の休憩を告げてしまったのです。当然ホールから出てしまった人が大勢おられました。(^_^;)私も変だなと思いながら下へ向かおうとしたところへ「ただ今の場内アナウンスは誤りでした」と放送が入り、慌てて戻りました。その後シューマンのソナタの演奏が始まりました。この曲シューマンが精神異常の状態のときに書いた曲なのだそうですが、何とも捉えどころのない曲でした。その後のスビトがまた捉えどころない現代曲でしたがMidoriさんの研ぎ澄まされた演奏には非常に説得力を感じました。後半のヤナーチェクは何度も聴いていますが、Midoriさんの演奏はとても鋭さを感じさせるものでした。ただ私が3階にいたからでしょうか、ややピアノの音が大きすぎるように感じる一面もありました。次のブラームスでは一段と増した表現力を見せてくれたように感じました。最後の「ワルツ・スケルツォ」は圧巻でした。鳴り止まない拍手に応えてアンコールを2曲弾いてくださいました。立ち上がって拍手する人もおられました。終演後Meet&Greetがありました。この時もかなり押し合い状態になっていましたが、Midoriさんは快くサインをしておられました。