樫本大進
Daishin Kashimoto
      
2005年リサイタル 2005年2月20日(日)ヴァイオリンリサイタル
◆ピアノ イタマール・ゴラン
◆場所 ザ・シンフォニーホール
◆プログラム
F.シューベルト/ヴァイオリン・ソナチネ第2番イ短調D385,Op.137-2
L.V.ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ第5番へ長調Op.24「春」
G.フォーレ/夢のあとに
B.バルトーク/狂詩曲第1番Sz.86
R.シュトラウス/ヴァイオリン・ソナタ変ホ長調Op.18

樫本さんの演奏を聴くのは約3年ぶり。プログラムの中にはデビューリサイタルでも取り上げたスプリングソナタも含まれていたので楽しみにしていました。彼の演奏の特徴である音色が柔らかく、美音は相変わらず健在でした。彼は人気者でしょうに聴衆は7割くらいでした。大阪で満席になるコンサートってどのくらいあるのでしょうね。1曲目のシューベルトは以前何度かリサイタルで聴いたことがありましたが、樫本さんの演奏スタイルで聴くとその滑らかな演奏スタイルにぴったりで実に聴き易くて良かったです。2曲目のスプリングソナタを聴くのは5年ぶり。柔らかな美音は言うまでもなく表現力に大人びた面が加わった感じを受けました。ただゴランさんのピアノがやや強すぎるように感じました。後半の1曲目に「夢のあとに」を持ってきたのはおまけっぽく感じて私にはちょっと不満に思えました。その分その後のバルトークは際立って聞こえましたが。シャープな弾き方ではないのでバルトークも聴き易かったです。この日は最後のR.シュトラウスのヴァイオリンソナタが一番良かったと思います。繊細な美音と骨太な音を上手く使い分けた集中力を感じさせる演奏でした。この日は寒い1日でしたがやはり終演後にはサイン会に並ぶ行列が出来ていました。

2006年ドレスデン国立歌劇場管弦楽団 2006年11月24日(金)ドレスデン国立歌劇場管弦楽団
◆指揮 チョン・ミョンフン
◆場所 ザ・シンフォニーホール
◆プログラム
J.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.77
L.V.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op.67「運命」

チケットは結構高かったのですが、大好きなブラームスの協奏曲が曲目だったので出かけてきました。指揮はかの有名なチョン・ミョンフン。オケも歴史あるオケの1つであるシュターツカペレ・ドレスデン。ドイツのオケということで期待していました。客席は9割方埋まっていました。私の席は3階席右側でした。前半で登場の樫本さんはヴァイオリンの音がなかなか合わなかったのか舞台上でも念入りに調弦を行なっていました。伸びのある音で弾き始めました。全体的に力みもなく余裕さえ感じさせる演奏でした。欲を言えばもう少しパワーがあればよかったかなと思いましたが、美音を聞かせるのが樫本さんのスタイルだと思うので彼なりの演奏を極めていって欲しいです。オーケストラもやや抑え気味に演奏していました。このオケは木管の音が綺麗だと思います。(特にオーボエとクラリネット。)コントラバスはもっと効かせて欲しかったです。後半のベートーヴェンでは前半と違ってオケのパワー全開といった感じでした。ドイツのオケらしく中低音がよく鳴っていましたし、相変わらず木管の音が綺麗でした。アンコールはメモするのを忘れていたので曲名は定かではないのですが、はっきり言ってこの日はオケも観客もアンコールが一番盛り上がっていたように思えました。終演後サインをいただきました。この日は寒かったためか楽屋口に並ぶ人がやや少いように感じました。

2006年ドレスデン国立歌劇場管弦楽団 2014年7月5日(土)第37回名古屋国際音楽祭
◆指揮 山田和樹
◆管弦楽 スイス・ロマンド管弦楽団
◆場所 愛知県芸術劇場コンサートホール
◆プログラム
G.ビゼー/アルルの女第2組曲より「メヌエット」「ファランドール」
P.I.チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35
N.A.リムスキー=コルサコフ/交響組曲「シェエラザード」Op.35

2週連続ですが、名古屋までコンサートに行ってきました。新幹線だと名古屋まで1時間かからないので便利です。山田和樹さんの指揮で演奏を聴くのは初めてです。チケットは完売状態で見た限り空席は全くありませんでした。1曲目のビゼーの「アルルの女」のメヌエット、フルートが美しくて良かったです。前半3曲目でいよいよ樫本さんの登場です。樫本さんのヴァイオリンを聴くのは約8年ぶりです。ベルリンフィルのコンサートマスターとして活躍されるようになってから演奏を聴くのは初めてです。今回も舞台上で念入りに調弦しておられました。その演奏は相変わらず美音を利かせた情熱的なチャイコンでした。楽器もよく鳴っていました。個人的には2楽章が良かったです。終演後は「ブラヴォー!」の声もありました。

鳴り止まない拍手に応えてアンコールは
J.S.バッハ/無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調
        BWV.1004より「サラバンド」
でした。

後半の「シェエラザード」は生演奏で聴くのはこれで3回目です。ホルンがちょっと不安定かなぁと思える場面がありましたが全体的にはとても素晴らしかったです。第3曲の「若い王子と王女」の出だしは思い切り溜めて演奏していました。コンサートマスターのヴァイオリンの音色が甘く素敵でした。私自身物語を頭で想像しながら聴いていました。この曲静かに終わるのですが、終演後の沈黙は山田さんが指揮棒を下ろすまで続きました。その後「ブラヴォー!」の声が飛び交い、拍手が起きました。(素晴らしい!)

アンコールは2曲
F.シュレーカー/舞踏劇「ロココ」よりV MADRIGAL
E.W.コルンゴルト/シュトラウシアーナ

でした。山田和樹さんがオケのメンバーと共に前後左右に向けてお辞儀をされるので場内からは笑いが起きたりもしました。(どこかで見たことがあるパフォーマンスっだなぁと思っていたら、山田さんは大学時代にコバケン先生に師事されたのだそうです。)名古屋まで出かけて行った甲斐のあった演奏会でした。
終演後山田和樹さんのサイン会がありました。(*^^)v

サイン