クリストフ・バラーティ
Kristóf Baráti
      
2009年大阪フィル第430回定演 2009年7月29日(水)大阪フィルハーモニー交響楽団
              第430回定期演奏会
◆指揮 大植英次
◆オルガン 室住素子
◆場所 ザ・シンフォニーホール
◆プログラム
N.パガニーニ/ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調Op.6
C.C.サン=サーンス/交響曲第3番ハ短調Op.78「オルガン付き」

この日はどちらかというと大植さんの指揮で「オルガン」が聴けるということで出かけて行きました。1曲目のパガニーニを演奏するクリストフ・バラーティさんはハンガリーのヴァイオリニストで1996年にロン・ティボー国際音楽コンクールで2位になった人なのだそうです。さてその演奏ですが、ヴァイオリンの線が細すぎます。この日は2階席の後ろの方に座っていましたが音に迫力が感じられませんでした。パガニーニの曲はこの曲に限らず重音、フラジオレット等技巧が満載なことで有名です。バラーティさんの演奏は全体的にテンポがゆっくりでした。正確に弾くためにそうしておられたのかもしれませんが、パガニーニの場合はテンポがゆっくりすぎると間延びして聞えてしまいます。この曲はピアノ伴奏で十分じゃないのと言いたくなるほどオーケストレーションが面白くないのでよけいにソリストの腕の見せ所が満載なのに残念です。それでも曲が終わったあとは「ブラヴォー!」の声がありました。アンコールはE.A.イザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタOp.27より第2番イ短調の第1楽章さらにJ.S.バッハの無伴奏パルティータ第2番ニ短調 BWV.1004から「サラバンド」でした。大植さんはピアノの椅子にそっと座って演奏を聴いておられ、曲が終わるとそっと退場して行かれました。後半はいよいよ「オルガン」です。テンポは全体的にゆっくりでした。オケの音も厚みがありました。第1部の後半で静かにオルガンが登場します。今まであまり意識していなかったのですがまるでバッハのコラールの様な曲ですね。オケとのバランスが非常に良くまるで教会の大聖堂でオルガンを聴いているように感じました。第2部の前半の弦楽器の演奏はエネルギッシュで良かったです。途中ピアノが連弾で登場したりして面白い曲です。後半ではオルガンが華麗に鳴り響きます。まるで大聖堂の中にいるように感じました。やはりこの曲は生演奏で聴くに限ります。大フィルメンバーも熱い演奏を繰り広げ曲は終わりました。もちろん「ブラヴォー!」の声がありました。拍手は鳴り止まず大植さんは何度も舞台に登場しておられました。終演後大植さんのサイン会がありました。