漆原朝子
Asako Urushihara
      
1993年小川典子、漆原朝子、グローベントリオ 1993年5月26日(水)小川典子、漆原朝子、グローベントリオ
◆チェロ フランソワーズ・グローベン
◆ピアノ 小川典子
◆ヴィオラ 原田幸一郎(*)
◆場所 いずみホール
◆プログラム
G.フォーレ/ピアノ三重奏曲ニ短調Op.120
R.シューマン/ピアノ四重奏曲変ホ長調Op.47(*)
L.V.ベートーヴェン/ピアノ三重奏曲第7番変ロ長調Op.97
             「大公」

カルテットはあまり聴いたことがない上に前半のプログラムはそう馴染みのある曲ではなかったため、退屈するかもしれないと心配しましたが、聴いてみるとそうではありませんでした。後半の「大公」も退屈させない演奏でした。3人の息はぴったりで少し線が細くて滑らかな音色の朝子さんのヴァイオリンがうまくリードしていたように思います。

1993年オーケストラ・アンサンブル金沢第9回大阪公演 1993年9月23日(祝)オーケストラ・アンサンブル金沢第9回大阪公演
◆指揮 岩城宏之
◆場所 ザ・シンフォニーホール
◆プログラム
F.シューベルト/交響曲第7番ロ短調D.759「未完成」
P.I.チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35
L.V.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op.67「運命」

アンサンブル金沢恒例の大阪公演で朝子さんのチャイコフスキーの協奏曲を聴きました。CDではしょっちゅう聴いていたチャイコフスキーを生で聴いたのはこの日が始めてでした。紫のドレスで登場した朝子さんは、優雅にそれでいて完璧に演奏していました。特に3楽章は引き付けられる演奏でした。岩城さん率いるアンサンブル金沢は小編成のオケですがなかなかの腕前です。アンコールで岩城さんの姿が見えないと思って見回すとトライアングルをたたいておられました。

1999年大阪センチュリー響第56回定演 1999年10月4日(月)大阪センチュリー交響楽団第56回定期演奏会
◆指揮 高関 健
◆場所 ザ・シンフォニーホール
◆プログラム
E.W.エルガー/ヴァイオリン協奏曲ロ短調Op.61
J.シベリウス/交響曲第4番イ短調Op.63

エルガーの協奏曲は40分以上かかる大曲でめったに演奏されません。CDも数える程しか出ていません。私も生で聴いたのはこのときが初めてでした。全体的に抑揚が少なくて、演奏者しだいで名曲にも退屈な曲にもなりうる曲だと思います。朝子さんの演奏は曲のイメージにぴったりで、出だしから3楽章のカデンツァをはじめ素晴らしい演奏でした。しかも妊娠中で40分以上立ちっぱなしで弾き切るんですからさすがです。彼女のボウイングは本当に優雅です。最近一段 と優雅になった気がします。終演後、楽屋口でサインをいただいて帰りました。実はこの日後半を聴けなかったのですが、良い演奏だったそうです。惜しいことをしました。

2001年かんでんクラシックコンサートNARA2001 2000年2月21日(水)かんでんクラシックコンサートNARA2001
◆指揮 現田茂夫
◆管弦楽 大阪フィルハーモニー交響楽団
◆場所 奈良県文化会館国際ホール
◆プログラム
E.H.グリーグ/2つの悲しき旋律Op.34
P.I.チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35
M.P.ムソルグスキー(M.ラヴェル編曲)/組曲「展覧会の絵」

かんでん主催の毎年恒例のコンサートだそうです。奈良県文化会館は昔演奏会で出たことがありますが、相変わらず響かないホールですね。オケの演奏も朝子さんの演奏も何だかこじんまりと聞こえました。朝子さんの音色は相変わらず綺麗でしたし、カデンツァも素晴らしい演奏だったとは思いますが。後半の「展覧会の絵」は間延びして聞こえました。アンサンブルがいまいち揃っていなかった気がしました。特にクラリネットの音が安っぽく聞こえたのも残念でした。チャリティコンサートだからでしょうが、演奏中に人の出入りが多かったのも残念でした。

2004年リサイタル 2004年6月3日(木)ヴァイオリンリサイタル
◆ピアノ ベリー・スナイダー
◆場所 神戸新聞松方ホール
◆プログラム
J.ブラームス/ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調Op.78「雨の歌」
J.ブラームス/ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調Op.100
J.ブラームス/F.A.EソナタのためのスケルツォWoO post.2
J.ブラームス/ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調Op.108

よく考えたら朝子さんの単独のリサイタルって初めてだったんですよね。お客さんの入りは上々でした。開演時間が19:15だったので余裕を持って出かけることが出来て良かったです。曲目は大好きなオールブラームスプログラム。NHKはFM放送のために、fontecはCDのためにライブ録音を行なっていました。マイクが舞台の真中に2本立ててあったのは視界の邪魔に思えましたがどんなCDになるのか楽しみです。(そうえいばこの日ロビーでCDを売っていなかったんですよね。朝子さんのCDを購入しようかと思っていたのでちょっと残念でした。)松方ホールは(以前アナスタシアのコンサートでも感じたことですが)音は響くのですが前で聴いていても音が抜け気味になってしまうのです。朝子さんのヴァイオリンは線が細めなのでなおさらそう聞こえました。しかし、演奏内容は実に良かったと思います。彼女の演奏スタイルは淡々としているのですが、だからと言って真っ白な演奏ではなく、音色も不快感を感じないし、非常に聴き易いのです。以前はブラームスはしつこい演奏が好きだったのですが、最近は角のない演奏の方が聴いていて疲れなくて良いです。1曲目の「雨の歌」では雨が静かに降っている光景が浮かぶようでした。曲が進むにつれてどんどん上り調子になっていきました。前半の第2番ソナタの第2楽章、後半の第3番の第2楽章はヴァイオリンもよく鳴っていましたし、音色も非常に綺麗で心が洗われるようでした。(^o^)拍手に応えてアンコールには3つのロマンスから1曲?とブラームスのソナタから抜粋で演奏して下さいました。終演後サインをいただきました。

2005年西本智実のブラームス 2005年7月13日(水)西本智実のブラームス
◆指揮 西本智実
◆管弦楽 大阪センチュリー交響楽団
◆場所 ザ・シンフォニーホール
◆プログラム
J.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.77
J.ブラームス/交響曲第1番ハ短調Op.68

西本智実さんの人気はすごいですね。チケットは完売でした。席を取ったときは正面は売切れでサイドしか空いていませんでした。正面で聴けばどうだったのかはわかりませんが、私の席で聴いた限りはヴァイオリンの音がオーケストラに押され気味に感じました。元々朝子さんのヴァイオリンは音量がある方ではないと感じてはいますが、オーケストラがもう少し音量を抑えたほうがバランスが取れるんじゃないのかなぁと思いました。この日は暑く湿気もかなりあったためか朝子さんのヴァイオリンも音程が定まりきれない部分があったりもしました。全く夏場はヴァイオリンには酷です。でも第1楽章のカデンツァは良かったと思います。後半の交響曲が非常にまとまりのある演奏だったため、かえって前半の協奏曲でのオケの力不足が目立ってしまったように感じました。終演後楽屋口に行きました。西本さんの人気はすごいものでサインを求める人が大勢待っておられました。シンフォニーホール主催のコンサートではないときのホール側の対応はいま一つ良くないと思います。サイン会があるのかないのかはっきりするまで30分以上待たされたあげく、朝子さんは帰られたことがわかりました。その割にいろいろ注意だけはしてくるんですよね。西本さんはタクシーを待たせたままサインをしておられました。